<?xml version="1.0" encoding="utf-8"?>
<rdf:RDF xmlns:rdf="http://www.w3.org/1999/02/22-rdf-syntax-ns#" xmlns="http://purl.org/rss/1.0/" xmlns:dc="http://purl.org/dc/elements/1.1/" xmlns:content="http://purl.org/rss/1.0/modules/content/" xmlns:cc="http://web.resource.org/cc/" xml:lang="ja" >
	<channel rdf:about="http://andoukaoru.dtiblog.com/?xml">
		<title>女装の花園小説館</title>
		<link>http://andoukaoru.dtiblog.com/</link>
		<description>男に抱かれて私は女になるの</description>
		<dc:language>ja</dc:language>
		<items>
			<rdf:Seq>
            				<rdf:li rdf:resource="http://andoukaoru.dtiblog.com/blog-entry-94.html" />
							<rdf:li rdf:resource="http://andoukaoru.dtiblog.com/blog-entry-93.html" />
							<rdf:li rdf:resource="http://andoukaoru.dtiblog.com/blog-entry-92.html" />
							<rdf:li rdf:resource="http://andoukaoru.dtiblog.com/blog-entry-91.html" />
							<rdf:li rdf:resource="http://andoukaoru.dtiblog.com/blog-entry-90.html" />
						</rdf:Seq>
		</items>
	</channel>

    	<item rdf:about="http://andoukaoru.dtiblog.com/blog-entry-94.html">
		<link>http://andoukaoru.dtiblog.com/blog-entry-94.html</link>
		<title>親子水入らず・・・・・</title>
		<description>親子水入らず・・・・・

青天の霹靂とはこの事を言うんだろうか・・・？ある日突然会社に妻から電話が掛かって来た。・・・何なんだ、仕事中だってのに・・。 
「もしもし、・・」
「あ、あなたッ！大変、変態が大変、じゃ無くて大変な変態・・、あ、違うわ！っと、とにかく家にすぐ帰って来て！」 
・・・訳が分からん・・。ただ妻が尋常では無い</description>
		<content:encoded><![CDATA[ 親子水入らず・・・・・
<br />
<br />青天の霹靂とはこの事を言うんだろうか・・・？ある日突然会社に妻から電話が掛かって来た。・・・何なんだ、仕事中だってのに・・。 
<br />「もしもし、・・」
<br />「あ、あなたッ！大変、変態が大変、じゃ無くて大変な変態・・、あ、違うわ！っと、とにかく家にすぐ帰って来て！」 
<br />・・・訳が分からん・・。ただ妻が尋常では無い様なので、早退する事にした。
<br />ただ、変態が大変とか大変な変態では理由にならないので、嘘をついて帰った。 
<br />
<br />そして家に着きドアを開けると、妻が飛び出してきた。
<br />「どうした、一体何があったんだ、少し落ち着けよ。」「だ、だってあなた、真矢が大変な事に・・・。」
<br />「何ッ！」一人息子の真矢に何かあったのか・・？俺も少し落ち着きを無くし、急いでリビングに向かった。・・・？？誰だ・・？あ、真矢の恋人か・・・。
<br />まったくウチの奴もこれぐらいの事で・・。真矢だってもう２１だ、将来の約束をしてる恋人を連れて来たって可笑しくはないだろうに・・。
<br />背中を向けてるので顔は見えないが、ほっそりとしてしおらしい感じの子だ。彼女の前に座り、麦茶の入った茶碗を持ち、飲もうとして口に持っていきながら顔を見た。！！？？！？！俺は驚き、そのせいで茶碗は口を通り越し、鼻で麦茶を飲んでしまった。
<br />「お、おっ、おばべば・・！」 
<br />お、お前はと言ったつもりだが鼻から飲んだ麦茶を口から出しながら喋ったので、まともな言葉にならない・・。 
<br />
<br />オカマになった真矢が喋った。
<br />「パパ・・、これが本当の私なの・・。もう 
<br />誤魔化すのを止めて、パパとママに告白しにきたの・・。」・・こ、これが 
<br />噂のカミングアウトってやつか・・？真矢の話しによると、小学生の頃から男でいる事に違和感を感じてたらしい。
<br />そして中学で、同級生の 
<br />男に胸が苦しくなる様な恋をして、高校生の時には女装や化粧をする様になり、大学生の時に恋人が出来て、男を知り、女性ホルモンの投与をする様になって、もう元の体には戻れない様になってしまってから決心して告白する事にしたらしい。「パパ、ママ、だからこれからは私女の子の格好をして、女として生きて行きたいの・・。解って下さい。」 
<br />
<br />俺は未だに混乱していて、まだ鼻から麦茶を飲み、口から茶碗に戻しながら話しを聞いていた。そのせいで、幾ら飲んでも麦茶が減らない・・。 
<br />しかも、段々と麦茶じゃなくて昆布茶の様な味になってきてる。
<br />毛とか変な物も浮いてるし・・。俺はテーブルに茶碗を置いて怒鳴った。
<br />「ふざけるな！！何が女として生きていくだ！俺は許さんッ！そ、そんな薬で 
<br />膨らませた胸なんか、医者の所に返品して来い！大体お前は一人息子なんだぞ！そ、その一人息子の息子は要らないなんてそんな話しがあるかッ！お前に黙って付いて来てくれたチンコに申し訳ないと思わんのかッ 
<br />！！」あ、待てよ・・。
<br />「し、真矢！お前まさかチンコ切っちまったのか？体改造したのか？い、いかんぞ、不正改造だ、車検取れないぞ！」
<br />「何を訳分からない事を・・。まだちゃんと付いてます！」
<br />
<br />「う、そ、そうか・・。」
<br />
<br />その後も怒り続け、叱り続けてみても真矢は自分の考えを曲げなかった。 
<br />そして最後には「もう私は大人ですから、こうなったら自分一人で生きて 
<br />行きます。今までお世話になりました・・。」そんな捨て台詞みたいな事を 
<br />言って出て行った・・。 
<br />
<br />その後は妻とお前の躾が悪かったからだとか、あなたが男同士のコミュニ 
<br />ケーションをとらなかったせいだとか、お互いを責め、罵り合った。
<br />やがて疲れ果て俺は自分の書斎に篭った。あ〜、ムシャクシャする・・。大体あいつがオカマになったら、俺の仕事にも影響が出るし、近所との付き合いだって 
<br />やり辛くなるだろうが・・。
<br />どうにも気が晴れないので、俺は愛人の女に電話をして泊まりに行く事にした。
<br />そして、女の体に俺の怒りや苛立ちをぶつけて、いい汗をかいて、やっと眠りにつく事が出来た。翌朝は女の家から会社に出勤し、どうにか仕事をこなし自分の家に帰った。 
<br />
<br />あれ・・？灯りが点いてない・・。
<br />まったく、暗い部屋でジメジメと暗い事を 
<br />考えててもしょうがないのに・・。
<br />玄関の鍵を開け、リビングに行き、電気 
<br />を点けた。・・・・・？・・・なんだこれは？・・・ゲッ！テーブルの上には、 
<br />必要な所は書き込んで、妻の判が押してある離婚届と、妻の置手紙と 
<br />愛人の女と俺が抱き合ってる証拠写真が置いてあった・・。・・やられた、 
<br />ばれてたのか・・。結局それから間もなく俺達は離婚した。
<br />しかも、家を売り払っても、ローンが残ってたので金にはならず、俺の持ってる物全て売り払って金に換えて、慰謝料としてもっていかれた・・。俺はあっという間に一文無しのホームレスの様になってしまった。 
<br />
<br />・・・ちっくしょう・・、それもこれも真矢のせいだ、あいつがオカマになんかなるから俺がこんな目に会うんだ。
<br />頭に来て、数少ない俺の持ち物の携帯で真矢に電話を掛けた。「もしもし・・、」
<br />「俺だッ！お前のせいで離婚するはめになっちまったじゃねえか、このろくでなしのバカ息子が！」 
<br />「ろくでなしのバカ息子はパパの股間の息子でしょ。あっちこっちで浮気 
<br />してたんだから自業自得でしょ、私のせいにしないで。」う・・・、この野朗 
<br />痛い所を突いて来やがった。
<br />あ、しかも電話も切ってやがる・・。
<br />「へんだ、男の癖に女の格好して、ケツで男喜ばすしか出来ないオカマ野朗が！いっちょまえの口利くんじゃねえ！」俺は凄く空しくなった・・。そのオカマ野朗は俺の息子なんだよな・・・。
<br />家は売り払っても、引越しが済むまでは住めるんだけど、元妻が居座っていて俺を入れてくれない。仕方なく残り少ない金で酒を買って、飲んで公園のベンチで寝た。 
<br />
<br />翌日会社に久しぶりに顔を出すと、上司に呼ばれ、「事情は元の奥さんから 
<br />聞いて知っている。
<br />住む所も無いんじゃ、まともに仕事できないだろ？食事や洗濯の事だってあるし、このまま続けるのは無理なんじゃないか？」・・・要は辞めてくれって事か・・。ま、いいさ、俺もみんなの嘲笑の中で仕事なんて出来ねえし・・。今月出勤した分をその場で、日割りにして給料を払ってくれた。 
<br />これで落ち着くまで食いつなごう・・。そして昨夜寝た公園に戻り、酒を飲んだ。 
<br />不味い酒だ・・・。
<br />何も考えずにボーッとしてると、誰かが俺の肩を叩いた。 
<br />振り向くと、・・おッ、いい女、・・・？ゲッ、「し，真矢じゃねえか・・。」
<br />「ママの所にいったら、パパがどうなってるか気になっちゃって・・。もしかしてここにいるかなって思って来て見たの・・。」「ふん・・、で、何の用なんだ？金はねえぞ。」 
<br />「こんな時間にここでお酒飲んでるって事は、行くとこ無いんでしょ？私の 
<br />アパートに来れば？」何ッ！・・イヤ待てよ・・。「まさかお前のアパートには男 
<br />がいて、”私達愛し合ってるの、二人の仲を認めて”なんて言うんじゃねえだろうな。」「大丈夫、私今恋人いないから・・。何もないから安心していいよ。ね、来なよ。」
<br />「う、そ、そうか、そんなに言うんじゃしょうがねえ、行ってやるか。」 
<br />そして真矢のアパートでの生活が始まった・・。 
<br />
<br />真矢との生活はとても快適だった。
<br />掃除洗濯はちゃんとするし、料理も 
<br />元妻より上手い。仕事も夜の怪しい仕事かと思ってたら、事情を知ってる 
<br />知り合いの会社で女性社員として働いてるらしい・・。
<br />だが俺は気が狂いそうになっていた。 
<br />
<br />職安にいったり、求人情報誌を見たりしてあちこち応募するが、未だに仕事 
<br />が決まらない。やっと決まりそうだと思ったら、その会社がアパートに電話を 
<br />掛けてきたらしい。
<br />俺は面接で息子と二人暮しだと言ってたのに、俺の居ない間に電話に出た真矢は、「あの、息子さんと二人暮しとお聞きしてたんですが？」
<br />「あ、いえ、パパが間違えたんですきっと。パパと娘の私と二人暮し 
<br />なんです。」
<br />「勘違いですか・・、自分の家族をね・・。あ、すいませんでした。 
<br />また掛け直しますので、これで。」それを聞いた俺は慌てて電話をした。
<br />だが、「どうも面接の時の話しと違う様で・・、こちらもあなたの生活まで根掘り葉掘り聞くつもりはありませんが、間違いがあったら困るので、残念ですが今回は採用を見送らせて頂きます。」・・何てこった・・。俺は怒る気にもなれず、酒を飲み始めた。 
<br />
<br />・・・飲まなきゃやってらんねえ・・。
<br />そんな俺を見て真矢は酒のつまみを 
<br />作り出した。それを食い、ガンガン飲んで、夕食の料理が出来た頃には、 
<br />俺はベロンベロンに酔っていた。
<br />「おい、真矢、もう一杯水割りくれ、 濃い目でな。」
<br />「はいはい・・。」何気なくキッチンの真矢の後姿を見た。 
<br />・・・スタイルいいよなぁ・・、中身を知らなけりゃ、どう見ても女にしか 
<br />見えねえ。そういやこいつ、もう男を知ってるんだよな・・。
<br />どっかの男の物をあの手でシコシコとか・・、あの口にチンポ咥え込んでングングしたりとか・・、あのケツにチンポ突っ込まれてヒィヒィ言ったりとか・・・。 
<br />
<br />「はい、おかわりどうぞ。」
<br />「・・こう、奥までパンパンなんてしちゃったりしてな・・、」「え・・？パパ・・？何言ってるの？」
<br />「あ、ああ、い、いや。ん？まだ薄いな。」「え、濃くしたつもりだったのに、ごめんね、パパ。」俺にしなだれかかる様にして、ウィスキーを注ぎ足す。その仕種や甘える顔を見て、俺はゾクゾクとしてしまった。
<br />いかん、何考えてんだ俺は、第一俺がこんなに酔ってるのはコイツのせいなんだぞ。
<br />そうだ俺の平和な生活を壊したのはコイツなんだ・・。
<br />俺は女の様な息子に感じた欲望と、怒りと苛立ち、その他諸々を口から出さない様に、一気に酒を飲んだ。その時の俺は精神的にも、酒の量も、男の欲望も限界に達していた・・・。 
<br />
<br />心の中を例えて見ると、理性や道徳心や愛情等の人間らしい気持ちが一つ 
<br />ずつ糸になっていて、それが合わさって縄の様になっている。
<br />その縄を怒りや悲しみ、苛立ちや欲望が両側から引っ張っている状態だった。そこに酒の酔いと言う引っ張る力が加わり、まず理性の糸が切れた。
<br />そうなると次々と一本ずつ糸は切れていき、縄の様だった俺の正常な精神か引きちぎられた。 
<br />プチ・・、プチプチッ、・・プッチ〜ン・・。頭の中が真っ白になった。そして真っ白な壁の一部がドアの様に開いた。
<br />その向こうで桂○枝が呼んでいる。
<br />「いらぁッしゃぁ〜い♪」俺はそこに足を踏み入れた。
<br />「パパ、ねえパパ？大丈夫？」 
<br />俺に縋り付いてる真矢を見た。 
<br />
<br />心配そうに潤んだ眼で俺を見てる。
<br />「だいじょぶだょ〜ん。」俺は真矢を抱き しめ服を脱がし始める。
<br />「え、イヤ、ちょっとパパ止めて、何するのッ！」 
<br />「何するのって、ナニするんだょ〜ん。」
<br />「私達親子なのよ！実の息子に何するの！」
<br />「息子？お前女になるっていってたよな？息子じゃなくて娘だろ？ 
<br />世間じゃ黙ってるけど、父と娘が関係を持つなんてのはよくある事なんだよ、 
<br />気にすんなよ。」
<br />「イヤ―ッ！変態！」
<br />「ヘッへッへッ、お前もな・・。」煩いから口に脱がしたショーツを突っ込んだ。
<br />そして両手をブラジャーで縛った。
<br />そして真矢をうつ伏せにする。 
<br />
<br />・・ほう・・、むっちりとしたイイケツしてんな・・。
<br />はかない抵抗をしてプリプリと動く尻を見て、俺の変態エンジンは回転数を上げ、パワーを搾り出す。
<br />俺の足で真矢の足を押さえつけ、両手で尻を開く。
<br />ヒクヒクと動くアナルを見たら一気に回転数が上がり、俺はギヤをトップに入れた。
<br />尻に顔を埋め、アナルを舐め回す。
<br />シャブシャブッ・・、ペロペロ、レロレロ・・。
<br />真矢も悲鳴の様な声の合間に妙な声を漏らし始めた・・。 
<br />
<br />そして俺は自分の肉棒を真矢のアナルに沈めていった・・・。
<br />「嫌ぁ・・、パパ止めて、許してぇ・・。」俺は真矢の声には耳を貸さず、肉棒を何度も突き入れ、アナルが綻んできたら、真矢の腰を掴んで尻を持ち上げた。もう真矢もさほど抵抗しなくなっていた。
<br />今度は奥まで激しく出し入れする。
<br />いつの間にか真矢も喘ぎ声の様な声を漏らしてる。アア、この感触・・。
<br />俺の睾丸と真矢の睾丸が触れ合ってる。 
<br />玉と玉がぶつかって・・、まるでアメリカンクラッカーみたいだ・・・。そして抵抗を止めた真矢の胸を揉みながら腰を動かし、アナルにたっぷりと精液を注ぎ込んだ・・・。 
<br />
<br />
<br />そして、途切れ途切れの意識の中で、俺は何度も真矢を犯したらしい。
<br />何度目か分からないが、真矢は口も手も自由になっていて俺の責めに喘ぎ声を上げていた。
<br />「アアッ、凄い―ッ！パパ素敵、こんなの初めてぇ、もっと、もっとしてッー！」はは・・、そんなに凄えか、照れるなぁ・・。
<br />そしてまた意識が無くなった・・。
<br />眼が覚めた・・・。
<br />あ、朝だ・・。隣を見ると何も掛けずに裸で寝てる真矢がいた。・・・な、何かとんでもない事をやっちまった気がする・・。
<br />俺は上半身を起こして頭を抱えた。その動きで真矢も目覚めた・・。 
<br />
<br />「ぁぁ、パパァ・・、おはよう・・。」
<br />「う、ァ・・・。」真矢は甘えた声で俺の腰にしがみ付き、肉棒に触れてきた。・・・バカ、俺達親子だぞ・・。
<br />真矢が俺の物を擦りだした・・。
<br />・・・クゥッ、し、しかも、父と息子なんだぞ・・。 
<br />今度は俺の物を口に含んだ。パクンチョッ・・・。
<br />補修されたばかりの俺の理性の糸が全て切れた。
<br />プチプチ・・、プッチ〜ン・・。そして俺の変態エンジンは回転数を上げ、レッドゾーンを振り切った・・。 
<br />
<br />
<br />そして意識が戻った時には、たっぷりとアナルを犯し、真矢に俺の精液を飲ま せた後だった・・。「パパったら、昨夜あんなにしたのに、今日も濃いのが沢山出てるぅ・・・。」もう俺は理性の糸を繋ぎ直すのは止めた。そしてそれから何ヶ月か過ぎた・・。
<br />俺は働ければなんでもいいと思って、運送屋に就職した。 
<br />これが意外と周りの人間もいい奴らばかりだし、トラックを走らせながら綺麗な景色を眺めてると、何とも言えない幸せを感じられるようになった。
<br />そしてそんなある夜、いつもの様に真矢を抱いた後、俺は言った。 
<br />
<br />「もう少しすれば、お前が女になる為の手術代位は貯まるぞ。
<br />どうする？チンコ切っちゃうか？」
<br />「まだこのままがいいな・・。
<br />だってパパが何度も私を天国に行かせてくれるから・・・。このままでも凄く気持ちイイんだもん・・。」
<br />
<br />「ハッハッ ハッ・・、そっか、ま、その時は俺が手術代は出してやるからな。」
<br />「うふっ・・、ありがと・・。」
<br />「そのかわり、処女は俺が貰うからな。」
<br />「もう、ヤダぁ・・、パパの エッチ・・。」そう言いながら俺の肉棒に唇を被せていく。
<br />二度目なのに、真矢のフェラに興奮した俺は真矢を上に跨らせた。
<br />真矢は恥ずかしそうにしながらも、 
<br />俺をさらに興奮させる為に、繋がってる部分が良く見える様に脚を開き、俺の肉棒をアナルに飲み込んでいく・・。 
<br />
<br />やがて真矢は喜びの声を上げ、射精した。俺も真矢のアナルの締め付けに 
<br />我慢出来ずに、真矢の中にたっぷりと放出した・・。
<br />また俺達は落ち着いた後ごく普通の親子の会話を始める・・・。
<br />ハッハッハッ・・、真矢と他愛も無い会話を楽しみ、平和な生活を噛みしめた・・・。いいもんだなぁ・・、これが、これこそが親子水入らずってやつだよな・・・。ん・・？違ったっけ・・・？ 
<br /> ]]></content:encoded>
		<dc:subject>親子水入らず・・・・・</dc:subject>
		<dc:date>2009-11-18T02:46:16+09:00</dc:date>
		<dc:creator>kaoru</dc:creator>
		<dc:publisher>DTI-BLOG</dc:publisher>
	</item>
		<item rdf:about="http://andoukaoru.dtiblog.com/blog-entry-93.html">
		<link>http://andoukaoru.dtiblog.com/blog-entry-93.html</link>
		<title>幸せな私</title>
		<description>幸せな私

私は今とても幸せ。彼と一つになれたから・・・ 
始まりは２週間程前・・・　私、橘ヒロミ。
以前は僕、橘広海二十歳。 
そして彼、森正彦二十歳。小学校の頃から知り合って、高校３年まで同じ学校に通った親友と言ってもいい間柄だった。
高校卒業の時期と前後して二人ともに環境の変化があった。私の祖父が亡くなり実家</description>
		<content:encoded><![CDATA[ 幸せな私
<br />
<br />私は今とても幸せ。彼と一つになれたから・・・ 
<br />始まりは２週間程前・・・　私、橘ヒロミ。
<br />以前は僕、橘広海二十歳。 
<br />そして彼、森正彦二十歳。小学校の頃から知り合って、高校３年まで同じ学校に通った親友と言ってもいい間柄だった。
<br />高校卒業の時期と前後して二人ともに環境の変化があった。私の祖父が亡くなり実家の家業をつぐために九州へ引越し、私は残って一人暮らしになった。 
<br />彼も、両親がイギリスへ転勤になり４LDKの高級マンションで一人暮らし 
<br />をする事になった。
<br />自由になった彼は、今までは親に隠れて書いていた同人誌（ふたなり物）を書いてコミケに出展し、結構いい評判になってる。 
<br />私は彼に付き合ってコスプレ（女装）して手伝う、というより私自身楽しんでいた。
<br />女装が昂じて女装サロンに通うようになり、そこに集まる人達から情報を仕入れて、エステ、メイク、衣装に磨きをかけた。 
<br />そして、彼には内緒で女性ホルモンの投与、胸を大きくするクリーム等も使用するようになった。長い時間をかけて出来上がったこの体小さいけど綺麗に膨らんだ胸、くびれたウエスト、ヒップから足にかけてのライン、いい感じだと自分では思ってる。
<br />ただこの体は彼には見せられない。
<br />彼は、見た目は女装してるけど、中身は普通の男だと思ってるから普通に接してくれるけど、中身がこんなだと知ったらどうなるか、恐くて言えない。 
<br />そんなモヤモヤした気分の時は、私の部屋にある全身が映る鏡の前で全裸になって自分を慰める。
<br />感じやすくなった乳首を愛撫しながら片手にローションをとり、アナルへ・・。
<br />指が中に入った途端に股間のぺニクリがピクンと反応する。ぺニクリをさすりながら、アナルの中の指の動きを激しくする。アァ・・指を増やして動きもはげしくなるアッ、アァッ、ンン・・アアッいく！いっちゃう！ンッ・・ 
<br />鏡の中の私がトローンとした目でお尻を振りながらぺニクリからミルクを噴出してる・・・。 
<br />
<br /> ちょうど、今から２週間程前、新しい衣装を買ったので彼の部屋で着てみせた。彼が選んでくれたんだけど、いままでのかわいい系じゃなくて、エロっぽい衣装だからちょっと恥ずかしい。
<br />それと体のラインがかなり出ちゃう衣装だから女性化してる体がばれないかどきどきしちゃった。彼ももしかして、気づいたかも・・・、なんか目がギラギラしてたし・・。でもその後何事もなく二人でさらに酒を飲んで、私は先に風呂にはいって寝ちゃいました。 
<br />夜中の２時過ぎ頃目が覚めてリビングの方を見るとまだ明かりがついてる。 
<br />何してるんだろうって思って廊下を歩いてくと、リビングの入り口のガラス戸の向こうで彼が、テレビを見てるのが分かった。
<br />ガラス戸にくっつくようにしてみてみるとテレビじゃなくて、裏ビデオをみてた。しかもシーメールが男とSEXしてるビデオ！ 
<br />ドキドキしながらしばらくみてると、彼が何かしてる・・　アッ、オナニーしてる。 
<br />いたずら心で音を立てないようにそっと中に入ろうと戸をあける。その時彼の 
<br />うめくような声が・・「ウ、アゥッ、ヒ、ヒロミ！」エッ！ビックリした拍子に 
<br />戸に足を引っ掛けて、音をたてて彼の方へつんのめっていった。ア、アァ〜 
<br />凄い大きなペニス！そこから噴き出す溶岩のように濃くてドロドロした精液！ 
<br />そして、そして、巨大なペニスに巻きつけて擦っている物！私が風呂場脱いだ 
<br />下着！・・「ヒ、広海！ち、違うんだ！」彼も混乱してたようだけど、私も 
<br />放出した後も獰猛にそそりたつペニスと、むせるような精液の匂いで頭が 
<br />ドロドロになってて、何も考えられなかった。
<br />何とか飛び出した言葉「正彦、僕帰るよ・・」！「チョ、チョット待て！悪かった！だから・・」 
<br />彼が何を言ってるのか分からないまま、家まで走ってかえった。
<br />それから２日間心の中で大きく育った私と小さな存在になってしまったぼくが戦った。 
<br />３日めの夕方疲れてウトウトした頭の中に、彼の大きな、男の象徴とでも 
<br />いいたげなペニスが現れて暴れ回っていった。
<br />そして目が覚めて、シャワーをあびようと、全裸になり鏡の前に立った瞬間、全てが僕ではなく渡しになった。 
<br />もう何も迷う事はない。
<br />シャワーで体を隅々まで綺麗にして、アナルの中も丹念に洗浄する。用意すべき物はバッグに詰めて彼の家に向かう。 
<br />ピンポーン・・　・・
<br />「はい？・・誰？」
<br />　・・「ヒロミです」　
<br />「エッ！」 
<br />ガチャン！　・・・ドアが開いた。彼より先に言った。「また遊びに来ちゃった泊めてくれる？」 
<br />あ、あァかまわないよ。
<br />はいんなよ。」中にはいってしばらくは、二人とも会話がぎこちなかったけど、酒が入るにつれてもとのようになっていった。
<br />彼は会話が途切れるたびに酒を飲んでるからかなり酔っぱらってる。 
<br />「いや〜、しかし、この前は悪かったな、ごめんな、広海。」
<br />「別に正彦が悪いわけじゃないよ。私の方こそ急に帰るなんて言って飛び出しちゃってごめんね。」 
<br />「謝るなよ。悪いのは俺なんだから。」僕が消えて、私に変わった事に気付いてない。
<br />「そーだ、正彦お風呂長いから私先に入るね。」お風呂から上がって、彼が 
<br />入ってるうちにメイクを済ませて、セクシーなランジェリーを身に付ける。 
<br />気に入ってくれるといいんだけど・・。
<br />用意が出来たら、ベッドで彼を待つ。 
<br />あぁ、何かドキドキする・・。　
<br />「あれ？広海？もう寝たのか？」扉を開けて 
<br />腰にバスタオルを巻いた姿で彼が入って来た。私を見て動きが止まった。 
<br />「正彦。この前は心に男の広海が残ってたから逃げちゃったけど、今は心の中は全部女のヒロミになれたの。こんな中途半端な体だけど、正彦に女の様に抱いてほしいの。好きな様に犯してほしいの！」　・・「い、いいのか、本当に？」 
<br />「うん。・・・して。」彼の傍へ行って、バスタオルをとって、彼の硬く、 
<br />熱いペニスに触る。
<br />「ァァ・・大きくて硬い・・」もう亀頭がヌルヌルになってる 
<br />・・・。
<br />「ヒロミのかわいい物もヌルヌルだよ。」　恥ずかしい・・ 
<br />ベビードールの薄い生地の上から、乳首を刺激されるたびに、背中から 
<br />私の小さな物に向かって電気が走る。胸のボタンを弄られるたびに、スイッチがはいって、小さな物は透明な汁を溢れさせる。
<br />膝がガクガクして立ってられない。 
<br />「じゃあ、ベッドにいこうか。」・・・早くほしい・・。 
<br />　
<br />私は、ガーターベルトとストッキングだけの裸にされてベッドに寝かされた。 
<br />彼は私の小さな物を弄びながら、キスをしてくれた。そして私の乳首を舌で愛撫する。
<br />私は快感にうめきながら、さらに彼のペニスを撫で回す。
<br />「どんどん溢れてくるよ。」彼はそう言いながら、私のトロリとした汁を指ですくって私のアナルへ塗りつける。ぁ、指が入ってきた。
<br />「アッ・・」声がでちゃう・・ 何度も出し入れする内に、スムーズに指が動く様になった。「さあ、足を開いて、あいた手で自分で胸をさわって。」・・恥ずかしい・・、思いとは裏腹に足を開いて、お尻の肉を手で開いた。
<br />彼の物でヌルヌルになった手で、ヌルヌルを擦り付ける様に自分の胸を愛撫する。彼は開いたお尻に顔を近つけてくる。 
<br />「アッ！アアァン！」アナルを舐め回される快感に声がでてしまう。そして２本に増えた指がアナルに入ってきた。もう私のアナルは、抵抗をやめて指の侵入を受け入れる。「ヒロミはアナルが感じやすいんだな。」 
<br />「そう、アナルが感じるの！アナルを犯して！アナルでいかせて！」 
<br />彼はニヤッと笑うとさらに激しく指を出し入れする。アア、イヤ。 
<br />このままじゃ指だけでいっちゃう・・。
<br />彼の指から逃げて体勢を変える。 
<br />彼を仰向けにさせて、私からディープキスをする。
<br />少し下に下りて彼の乳首を舌で愛撫しながらペニスを手でさする。ぁぁ、彼も感じてる。 
<br />ペニスの先からトロトロと汁が溢れてくる。私は顔をさらに下げて、彼の 
<br />ペニスに唇をかぶせる。
<br />亀頭の部分を咥えて舌で汁を味わう。
<br />そして、出来るだけ奥までペニスを呑み込んでいく。
<br />「ヒロミ、すごくいいよ。」 
<br />嬉しくなってさらに、喉の奥まで飲み込み、唇と舌でペニスを愛撫する。 
<br />大きい・・、硬い・・、これが男のペニス・・、おいしい・・、 
<br />夢中になってしゃぶっていると、彼が私の頭をつかんで引き離した。 
<br />「さあ、四つん這いになって、お尻をこっちに向けて。」・・はい・・、 
<br />私は念のためにローションを自分のアナルに塗り、彼にお尻を向けて 
<br />四つん這いになった。彼が私の腰をつかんで引き寄せる。
<br />アナルに硬くて熱い物があたる。アッ、入ってくる。また抵抗を始めた私のアナルの中に、抵抗をものともせずに、やすやすと亀頭部分を潜り込ませた。アッ、さらに奥まで。「全部入ったよ。」・・私は返事もできない・・、ただ喘ぐだけ。 
<br />「ゆっくり動くからね。」ウッ、「痛くない？」ウッ、ウッ、彼の動きに 
<br />合わせてうめき声がでる。「すごく気持ちいいよ、ヒロミのアナル。」 
<br />彼の腰の動きが速く、激しくなる。ウッ、ウッ、ン、ンン、・・ァ、 
<br />・・ア、アァ、アア〜！「イイ！アナルが気持ちイイの！」私のアナルが 
<br />ヌチャヌチャと音をたてはじめた。
<br />彼の動きに合わせるかの様に、私の腰も激し動き出す。
<br />彼のペニスで突かれるたびに、私の小さな物からいやらしい汁が溢れて、シーツを濡らす。
<br />「アァ・・、もう、イキそうなの！正彦のペニスでイカせて！アアッ、もっとアナル犯して！」
<br />「よし、イカせてやるよ。そして、俺の精液を中に注ぎこんでやる！」彼は、私の乳房と小さな物を愛撫しながら腰の動きを速くする。そして、奥まで突き上げられた時、私の中でペニスがさらに大きくなった。
<br />次の瞬間、熱いマグマの様なドロドロの精液が私の中に注ぎ込まれ、私も同時に、彼の手に精液を溢れさせた。二人の体だけが、残った快感を味わうかの様に動いていた・・ 
<br />
<br />彼の物を受け入れ、彼と一つになれた。幸せ・・幸せな私・・。 
<br /> ]]></content:encoded>
		<dc:subject>幸せな私</dc:subject>
		<dc:date>2009-11-18T02:28:43+09:00</dc:date>
		<dc:creator>kaoru</dc:creator>
		<dc:publisher>DTI-BLOG</dc:publisher>
	</item>
		<item rdf:about="http://andoukaoru.dtiblog.com/blog-entry-92.html">
		<link>http://andoukaoru.dtiblog.com/blog-entry-92.html</link>
		<title>補修授業</title>
		<description>あ〜・・、暇だ・・。
夏休みの今日も僕の家に三人が集まって何をするでもなく、 ボーッとしていた。
「何か面白い事無いかねぇ・・。え？君達。」そう言ったのは 
体のでかい大知（だいち）。
「三人とも金が無いからな・・。」返事をしたのは中（あたる）。
「金掛けなくても何かあるでしょ・・？」そう言ったのは僕小次郎（こじろう）。
</description>
		<content:encoded><![CDATA[ あ〜・・、暇だ・・。
<br />夏休みの今日も僕の家に三人が集まって何をするでもなく、 ボーッとしていた。
<br />「何か面白い事無いかねぇ・・。え？君達。」そう言ったのは 
<br />体のでかい大知（だいち）。
<br />「三人とも金が無いからな・・。」返事をしたのは中（あたる）。
<br />「金掛けなくても何かあるでしょ・・？」そう言ったのは僕小次郎（こじろう）。
<br />「この年で鬼ごっこやる訳にもいかねえし・・。」中が 
<br />「だからお前らに夏休みの間バイトしようぜって声掛けたのに、ダルイとか言ってやらねえし・・。」
<br />大知が「お前だけバイトして奢ってくれりゃ良かったんだよ。」 
<br />「ふざけんな！バイト先に可愛い女いたかもしれねえのに・・。」 
<br />
<br />そして僕が、「ま、冷たいビールはご馳走してやるから、飲みながら考えようか・・。」 
<br />「オッ、サンキューッ。しかし俺達高校二年で未成年なのにお前の家よく何も言わねえよな。」「もう言っても聞かないと思って諦めてるんじゃないの・・。」 
<br />何だかんだ言いながら夜まで飲んだ。ビールも無くなり夜の街をフラフラと歩く。 
<br />くだらない事を喋りながら街外れの自然公園の辺りまで来た。突然中が「そう言えば 
<br />この公園って夜遅くなると、ホモが沢山集まってるらしいな・・、ハッテン場に 
<br />なってるんだってよ。」
<br />「へ〜・・。」
<br />「・・・・・、あ、いい事考えた。」「何？」 
<br />「肝試しだよ・・、今日は何の用意もしてないから、明日俺達三人でやろうぜ。」 
<br />何の肝試しだろう・・？「ん〜・・、つまり、それぞれが思い思いの格好をして、この公園を一回りして戻って来るんだ。へたしたらホモに捕まってどんな事になるか ・・、どうだ、やってみるか？」
<br />「ププッ・・、面白そうじゃん、お前らのどっちか捕まったらさらに面白えな・・。」中が「やばくねえか、結構な人数集まってるらしいぜ・・。相手が多くてこっちが一人じゃ・・。」「そこがスリルあって面白いんだろ、どうする？やるか、やめるか？」結局意見がまとまって翌日の夜やる事になった。 
<br />
<br />当日の夜、大知の家に集まってまたビールをたっぷりと飲んでからから 
<br />公園に行った。暫くじっと公園を見てると、いろんな男達が公園に入って行く。 
<br />「よし、そろそろいいだろ、着替えて行くぞ！」「よし、まずは言い出しっぺの俺から行くぜ！」そう言って大知が公園に向かった。
<br />「今から３０分経っても、 俺が戻らなかったら次の中が出て行けよ、結果は後で三人集まってから話そうぜ。」
<br />
<br />「あ、ああ、分かった。」 
<br />
<br />最初の大知は頭に鉢巻を締め、上半身は裸に祭りの法被を着ただけ、下半身は 
<br />褌を締めただけの格好で出て行った。大知がどんな目に会うか、下らない事を 
<br />言ってる内に大知が走って戻って来た。法被は所々破れ、褌を引きずり、しかも横からチンコがはみ出ていた。油断してたら、何人ものホモに囲まれ、やっとの思いで振り切って逃げて来たそうだ。さんざん大知を笑った後で、「よし、俺も行くぜ！」中が出て行った。 
<br />
<br />中は少年の様な格好で上半身は乳首が分かる程ピチピチのTシャツに、下半身 
<br />は半ズボンで足の毛を剃っていた。
<br />「気を付けてな・・。」
<br />「ああ・・。」１５分程した頃、大知が大笑いして指差した。「うおぉぉ―ッッ！！」恐怖の雄たけびを上げながら中が戻って来た。下半身丸出で・・・。やはり何人もの男達に捕まり、諦めてズボンを脱ぐ振りをして、脱いだ途端に走って逃げて来たそうだ。
<br />「小次郎、笑ってる場合じゃねえぞ、お前の番だ。」
<br />
<br />「う、うん。」 
<br />
<br />僕の格好は上から下まで女の子の格好だ。つまり女装して、化粧もして体毛を全部綺麗に剃ってきた。そして公園に足を踏み入れる。僕は３０分を大分過ぎて戻った。 
<br />「あれ、小次郎何ともなかったのか？」
<br />「うん、あの人達は男が好きだから僕みたいな女装したのは好みじゃないみたい・・。でも、念の為遠回りして帰って来たから遅くなっちゃった。」三人で童貞を捨てるより先に、処女を奪われなくて良かったと笑って、肝試しは終わった・・。 
<br />
<br />そして帰ろうとしたその時、「コラッ！大知！中！小次郎！大中小の三人組み、こんな時間に何やってるんだ！」
<br />「ゲッ！やべえ、担任の熊木だ・・。あいつこそこんな所で 
<br />何やってんだよ・・？」「夏休み中にこの公園で痴漢にあった女生徒がいたから、見回りをしてみれば変な格好の三人組か・・。小次郎は女装なんかして・・、さ、訳を聞こうか・・？」近づいて来た熊木先生の剣幕にビビッって思わず口ごもる。 
<br />「あ、いえ、その・・、」
<br />「おい！大知お前酒臭えぞ、あ、三人共酒飲んでるな！」うわっ、ヤバイ！・・・その後、散々怒られて説教をくらった。僕達は平謝りに謝った。 
<br />
<br />そして、「さて、お前ら・・、停学になるのと俺の家で二学期の間補習の勉強するのとどっちがいい？俺も鬼じゃないからお前らに好きな方を選ばせてやるよ。」三人共補習を選んだ・・。「
<br />あ、あのぉ・・、先生、補習は毎日ですか・・？」
<br />「お前らの成績 
<br />じゃそうしたい所だけど、俺も疲れちまうからな、とりあえず週に一日にするか。 だが、成績が良くならないようなら増やすからな。」
<br />
<br />「・・・はい・・。」そして・・・、 
<br />
<br />僕は初日が土曜日だったので、泊り込みで補習を受ける事になった。勉強が 
<br />一段落した頃には夜中になっていた。「今夜はこの辺にしとくか。小次郎、冷蔵庫からチューハイ持って来い。お前も頑張ったから特別に飲んでいいぞ。」「え、は、はい。」飲み始めてからは先生も機嫌が良くなって話も弾んで、眠気も忘れて 
<br />二人で飲んだ。僕が酔っ払った頃に先生が、「そうだ、忘れてたよ、お前この前みたいに女装してみろよ。可愛くなったら女の子と飲んでるみたいで楽しめそうだからな・・。」
<br />「で、でも着替えも化粧品も無いんですけど・・。」
<br />「ほら、そこの押入れの中にあるよ。勉強が終わったら余興に見せて貰おうと思って買って置いたんだ。」
<br />
<br />「は？・・はぁ・・。」 
<br />
<br />僕は隣の部屋で着替えて化粧をした。
<br />「ど、どうですか・・？」
<br />「おぉ、いいなぁ、可愛いぞ。」その後も二人で酒を飲み、エロDVDを見て過ごした。やがて寝ようと言う事になって、寝る前にシャワーを浴びようと僕はバスルームへ行った。 
<br />そして、そこで先生に犯されてしまった・・。 
<br />
<br />その後のある日・・。僕は大知に遊びに誘われた。「ゴメン、今日は熊木の補習受けなきゃ・・。」「あれ、もしかしてお前日数増やされたの？」「うん。どうも覚えが悪くて・・。」
<br />「ありゃぁ・・、可哀相に・・。じゃ、また今度な。」そして僕は今夜も 
<br />先生の家に行った。
<br />「さ、小次郎、今夜も最初からおさらいするんだ。」 
<br />「はい・・。」僕はベッドに仰向けになった先生の大きく屹立したペニスにフェラチオを始める。 
<br />
<br />「うん・・、いいぞ。この前より大分上手になってきたな。」・・だって、家で一人で予習してきたから・・。ヌプッ、ヌプ、チュプ・・・。
<br />「ゥ、いいぞ、合格だ、今合格の印をやるから全部飲むんだぞ。」ンンッ！・・・ドクドクと先生の精液が僕の口の中に溢れてくる。命令通りに全部飲み込んだ。・・・ぁ、何か美味しい様な気がしてきた・・。 
<br />「ふぅ、次は俺がお前を可愛がってやるからな・・。」そう言って僕にキスをして舌を 絡めてくる。やがて首筋から乳首、お臍からペニスへ、アナルも丁寧に愛撫してまた僕のペニスをしゃぶる。
<br />「いいか、相手を喜ばせるのも大事だけど、自分も相手の愛撫に喜ぶのも忘れるな。見落としがちだけど、ここも重要なポイントだからな分かったか？」「ハアァァ・・ン・・、わ、分かりました・・。」
<br />「よし、じゃ一番肝心な所をおさらいするぞ。」僕を犬の様に這わせて、後ろからペニスを突き入れてきた。 
<br />
<br />「アウウゥーン・・、凄いィ・・・。」
<br />
<br />「ふふ・・、体の方は覚えが早いな・・、じゃ、この前勉強した腰の振り方とアナルの締め方をやってみろ。」「ンア・・、ハ、ハイ・・。」僕は先生の動きに合わせて腰を振り、アナルで先生のペニスを締め付けた・・。
<br />
<br />「クゥゥ・・、堪らんな・・、そろそろ最後のおさらいだ、いいかイク時はリズムを合わせて一緒にイクんだ。相手がお前を何度もイカせて楽しむ時は別だけどな。それとここでの重要なポイントは、相手がどこに射精したがってるか見極めないと駄目だぞ。アナルに出すのか、口に出したいのか、それとも胸か顔射したいのか、相手の望みをかなえて 
<br />やらないとな。」
<br />「ハイ！」さっきは口に出したから・・。僕は先生にお尻をぶつける様に 
<br />してアナルの奥までペニスを受け入れた。
<br />「ウアッ！クゥ、で、出る！」先生のペニスが 快感にピクピクと震え、熱い精液を僕の中に撒き散らした。そして僕も自分の手の中に射精した・・。 
<br />
<br />暫くして僕達はベッドに横になり、抱き合っていた。
<br />「今夜は７５点って所だな・・。本当は俺はトローンとしたお前の顔に精液を掛けたかったんだ。その分マイナスだ。それと小次郎もそろそろアナルを犯されただけで射精する様にならないとな・・、その分もマイナスしたからな・・。また今度も補習して勉強しないとな。」
<br />
<br />「はい・・、頑張ります・・。」 
<br />
<br />「よし、いい子だ・・・。」 
<br />
<br />僕は週に３日補習を受ける。そして週に一日はあのおじさんと・・。
<br />実は僕は公園に踏み込んでものの数分で男の人に捕まった。
<br />それを助けてくれたのがあのおじさんで、てっきりノーマルな人だと思って安心してたら、やっぱり女装子好きの人だった。 
<br />ただ、さっきの男とは違って、巧みな指と舌で僕を動けなくして、アナルの処女を奪った。
<br />おじさんに男の味を教えられ、また来る様に言われ僕は頷いた。そして公園 
<br />を出て何事も無かったかの様に大知達と話した。
<br />だから、今の僕は先生の家でSEXの勉強をして、おじさんに覚えたテクニックを披露する。おじさんは家庭教師の様に、さらに高度な技を僕に仕込む。僕は覚えがいいので、そろそろ次の段階のSMや複数プレイ等を教えると言っていた。そんな訳で今の僕は、補習に家庭教師と、勉強が忙しくて大知や中と遊んでる暇が無い。でも・・、僕、勉強大好き・・・。 
<br /> ]]></content:encoded>
		<dc:subject>補修授業</dc:subject>
		<dc:date>2009-11-18T02:12:07+09:00</dc:date>
		<dc:creator>kaoru</dc:creator>
		<dc:publisher>DTI-BLOG</dc:publisher>
	</item>
		<item rdf:about="http://andoukaoru.dtiblog.com/blog-entry-91.html">
		<link>http://andoukaoru.dtiblog.com/blog-entry-91.html</link>
		<title>復讐</title>
		<description>「復讐」 

友哉と一年ぶりに渋谷で会うことになった。
電話を切る時、淳は動悸を感じた。
友哉の顔が目に浮かび、顔が火照る。
久しぶりに会えるのが無性に嬉しい。

「久しぶりに会うと思うとドキドキしたよ」友哉に話す。
「俺もだよ」と彼もにっこりと笑った。
友哉は１８０ｃｍ、</description>
		<content:encoded><![CDATA[ 「復讐」 
<br />
<br />友哉と一年ぶりに渋谷で会うことになった。
<br />電話を切る時、淳は動悸を感じた。
<br />友哉の顔が目に浮かび、顔が火照る。
<br />久しぶりに会えるのが無性に嬉しい。
<br />
<br />「久しぶりに会うと思うとドキドキしたよ」友哉に話す。
<br />「俺もだよ」と彼もにっこりと笑った。
<br />友哉は１８０ｃｍ、色浅黒く逞しい。
<br />淳は１７６ｃｍ、色白で華奢。
<br />淳は宝塚の男役のような大きな眼をしていた。
<br />
<br />その日、淳の部屋で夜遅くまで、飲み語らった。
<br />淳は烏賊の珍味を噛み締めながら笑った。
<br />気兼ねなしの二人だけの世界だった。
<br />
<br />夜中、一眠りした友哉は、淳の方に顔を寄せて、
<br />「寝たのか？」とささやく。
<br />淳が、「寝られないよ」と囁き返すと、
<br />直ぐキスしてきた。
<br />淳は「・・・・・」黙ったまま下から抱きしめていた。
<br />
<br />長い時間口を吸われた。ドキドキする。
<br />そして、「好きだよ」と頬を寄せてきた。
<br />淳は、「僕もだよ」と応える。
<br />暗がりの中で、頬が上気して燃えているのを感じながら。
<br />
<br />二人は、再度、時間をかけてキスをした。
<br />今度は、より深く、激しいものだった。
<br />強い舌が口の中でうねり淳の舌を捕らえる。
<br />
<br />いつの間にか二人の浴衣は肌蹴て、
<br />怒張する友哉のものが、
<br />淳の太ももに押し付けられる。
<br />淳はなぜだかうれしかった。
<br />生まれて初めて、
<br />とろけてゆく自分を感じてた。
<br />
<br />友哉の愛撫に身体を任せながら、
<br />頭の中には大好きな歌、
<br />"Beautiful Dreamer"が流れていた。
<br />そして、二人で果てた。
<br />二人は抱き合ったまま深い眠りに就いた。
<br />
<br /> 美しく装った淳は、これからの展開を思って緊張していた。
<br />とうとうその男、友哉の仇と遭遇したのだわ。
<br />愛する友哉を思うと目頭が熱くなる。
<br />
<br />自分を落ち着かせるために、ゆっくりとした深い呼吸をした。
<br />髪がガラスに触れるような姿勢で、動き始めた窓から巨大で異様な京都駅舎を眺めていた。
<br />「なんて不気味な建物なんだろう」とつぶやきながら。
<br />
<br />”のぞみ”が勢田の唐橋を過ぎる頃、ファッション雑誌を置くと、
<br />淳は、「すみません」、といって席を立った。
<br />ストッキングを穿いたふくらはぎが、男の膝頭に触れるのを意識して通路にでた。
<br />
<br />淳の、ミニスカートに包まれたヒップは、強烈なセックスアピールをしていた。
<br />男を夢中にさせるのには言葉は要らない。
<br />宮崎は目の前をすり抜ける淳のヒップに圧倒された。
<br />
<br />化粧室のカーテンを引いて、メイクを直し、
<br />服装を整え、最後にオードトワレを襟足にひと吹きした。
<br />鏡の中の自分ににっこり微笑みかけて、
<br />「友哉、その時がきたわよ」、心の中の恋人にささやいた。
<br />室井が友哉の仇はあの宮崎だと教えてくれた。
<br />しかし、淳は、それを確認する必要があることくらい分かっている。
<br />もし、人違いだったらとんでもないことになるからだ。
<br />
<br />淳は、モンローウオークで席に戻った。
<br />立ち上がって通してくれた宮崎に、
<br />「ありがとうございます」、と礼をいいながら座った。
<br />男を惹き付け離さない色香を宮崎に浴びせながら。
<br />
<br />宮崎は、淳が席に落ち着くよりも前に、
<br />「東京までですか？」、満面に魅力的な微笑を湛えて、
<br />穏やかなバリトンの声で話しかけてきた。
<br />淳は、紳士をの方に身体ごと顔を向けて、
<br />紳士の瞳を見つめて、「はい」、と思いっきり魅力
<br />を秘めた微笑で応えた。
<br />
<br />淳は、外見、非の打ち所のない、
<br />美しい２８歳の熟した女性だった。
<br />宮崎も、実業家として成功している、
<br />３４歳の紳士だった。
<br />淳は、紳士の、健康そうな横顔を
<br />微笑を湛えたまま見つめる。
<br />彼が、次に話すの待った。
<br />
<br />「京都駅は変わりましたね」、宮崎は寂しそうに続ける、
<br />「古都の景観上どうかと思います。
<br />予想しない変わり方で、親しみを感じません・・・」
<br />淳は軽くうなずきながら彼の話を聴いていた。
<br />名古屋を過ぎるまで、
<br />京都、奈良など古都の話で時をやり過ごしてゆく。
<br />
<br />浜名湖の向こうに落ちて行く夕日を見ながら、
<br />彼は、いっそう優しい声で、
<br />うなぎの蒲焼についての薀蓄など
<br />食べ物について淳の知らないことを話してくれた。
<br />
<br />淳の誘導で、彼は、学生時代のことも話している。
<br />淳は、彼が、大学は友哉と同じで、
<br />クラブ活動は剣道部だったことを知った。
<br />しかし、それ以上は詮索しなかった。
<br />宮崎に、淳とは友哉の通夜で会っていた事を、
<br />思い出されることが怖かった。
<br />同時に、宮崎に惹かれるものを感じていた。
<br />
<br />熱海の駅を通過する頃、
<br />淳の目を覗き込むようにして、
<br />そう、まるでその眼で魔法をかける様に。
<br />「東京に着いたらお食事でも」
<br />「・・・・・」、淳は、驚いたような表情を作った。
<br />そして思った、とうとう始まるわ・・・。
<br />「もし、よろしければ」彼の念押しに、
<br />淳は、彼を見つめ返しながら、
<br />「はい、喜んで・・・」
<br />これ以上の言葉は不要だった。
<br />
<br />彼は、にっこりと頷き、
<br />満面笑みで、「ありがとう！」
<br />その後、東京駅にはあっという間に到着した。
<br />
<br />彼の人をそらさない話題と話術の虜になりそうだった。
<br />淳は、東京駅を降りたとき、この出会いを心の底から
<br />楽しんでしまっている自分に気づいている。
<br />何故だかうきうきしてくる自分に驚きながら、
<br />のぞみを降りる時は昔からの知り合いの
<br />ような気持ちで彼の後に従っていた。
<br />
<br />食事は、銀座、並木通りのレストランだった。
<br />ワインを飲んだ火照りと、
<br />美味しい料理への満足感。
<br />そして興味尽きない楽しい会話。
<br />淳は、幸福感が体中に漲るのだった。
<br />困ったわ、私としたことが、淳は酔ってい行く
<br />自分を止められないような気がした。
<br />お酒によっているのか、
<br />目の前の仇に酔っているのか？
<br />
<br />「デジャブー・・・」
<br />グラスを口元に運びながら彼は言った。
<br />「何て・・おっしゃったの？」
<br />問いながら、微笑み返す淳。
<br />「以前、貴女に出会った気がする」
<br />彼は淳を見つめながらささやいた。
<br />「私も感じるの、デジャブー・・」
<br />淳の瞳は潤んでいた。
<br />
<br />彼の、日焼けした顔、
<br />きらめく瞳、分厚い胸、
<br />手入れの行き届いた口髭。
<br />すべてが淳を酔わせている。
<br />
<br />デザートをいただきながら。
<br />天使のような微笑を目元に、
<br />「今頃の日光もいいものですよ」彼はつづけた、
<br />「紅葉の季節はいろは坂が込むのでドライブも大変ですが、
<br />今頃は空いていてドライブに最適です」。
<br />
<br />ワインの心地よい酔いに意識をゆだねながら、
<br />「最近、日光に行ってませんの」、と淳は受ける。
<br />ドライブの約束ができた。
<br />魔法にかかったみたいに。
<br />
<br />淳は、ふと思った、こうして酔ったまま、
<br />この紳士に全てを剥ぎ取られて、
<br />あられもなく裸にされるのか、と。
<br />今日は、何も考えなくていい、
<br />この流れに流されていよう。
<br />時間も消えてしまったようだった。
<br />
<br />通夜の夜、死に化粧の友哉に、
<br />復讐を約束したことは、
<br />遠い昔の出来事のよう、というよりも、
<br />別世界の出来事のように思えた。
<br />大きな瞳に大粒の涙が輝いていた。
<br />
<br />淳は、送られる車の中で、
<br />宮崎の肩にもたれながら眠ってしまった。
<br />
<br />淳は、マンションの部屋に入ると、
<br />彼をソファーに案内した。
<br />座ると、彼は、淳を抱きとめる。
<br />すぐに愛撫を始めた。
<br />淳の太腿やヒップ、股間を
<br />羽が触れるように愛撫してくれる。
<br />
<br />二人は、着ているものを、
<br />引きちぎるように脱いで、
<br />バスルームからベッドルームへと
<br />舞い踊るように移る。
<br />
<br />淳も、夢中で、彼の全身を愛撫する。
<br />欲求不満が爆発したように、
<br />乳首、わき腹、太腿、ペニスと
<br />彼の全てを食べつくすかのようだった。
<br />
<br />彼のペニスは、カチカチになった。
<br />ペニスは先走りでぬるぬるとなっている。
<br />ベットルームの淡い光の中で、
<br />彼のペニスは淳を貫き通したがっていた。
<br />
<br />淳は、可愛い口いっぱいに彼のペニスを含んだ。
<br />とても長くてほっそりしたペニスだった。
<br />先端を舐め、喉の奥まで受け入れた。
<br />あまりに、喉の奥深くまで入るので、
<br />苦しいくらいだった。
<br />
<br />淳は、いつの間にか四つんばいになっていた。
<br />顔を枕にあずけ、
<br />高々と上げたヒップを彼は鷲づかみにした。
<br />色白の柔らかなヒップを両手で割るようにして、
<br />彼は、淳のアナルを舐め始めた。
<br />淳は、たまらずのけぞり、喘いだ。
<br />舐める音が、淳の脳を痴れさせ、
<br />興奮に油を注ぐ。
<br />背筋が快感でゾクゾクする。
<br />
<br />淳は、彼のペニスを喉の奥で愛撫した。
<br />彼の、淳の唾液で濡れたペニスは、苦もなく、
<br />淳のアナルに根元まで入った。
<br />その瞬間、深い暗闇の中、音のない声で、
<br />「友哉・・・」と叫んだ。
<br />
<br />彼は、淳を押さえつけ、
<br />「うぅぅぅぅ・・・うお　ぉぉぉ！」、
<br />と猛獣の声を上げながら、
<br />腰を前後に激しく動かした。
<br />
<br />長いペニスが出たり入ったりする。
<br />ペニスが直腸の襞をこすり上げる。
<br />淳の思考は止まった。
<br />枕に顔をうずめながら「あぁぁぁぁ〜」
<br />痴れて、落ちてゆく中で、音の無い声で絶叫した。
<br />
<br />「このマンション？」、
<br />聞き覚えのある声が淳を揺り起こしていた。
<br />気がつくと、品川御殿山の一角にある、
<br />淳のマンションの前で、タクシーは止まっていた。
<br />淳は、一瞬、夢の中のことが余りにもリアルに思えて、
<br />声が出なかった。
<br />「よく眠ってたよ」、宮崎は淳の耳に息がかかるくらいまで
<br />頬を寄せてささやいた、
<br />「部屋まで送ろうか？」、
<br />内緒話するみたいに。
<br />
<br />淳は、我慢が出来ないくらいに、血が、滾り、騒いでいることを感じていた。
<br />「はい」小さく頷いて身体を男に預けている。
<br />彼は、運転手に料金を払いながら、
<br />淳の腰を抱いて支えてくれていた。
<br />
<br />剥ぎ取られる、裸にされる・・・
<br />淳は、腰が抜けそうな感じに身を任せていた。
<br />頭の中には大好きな歌、
<br />"Beautiful Dreamer"の一節が繰り返し流れていた。
<br />
<br />快感は次から次と淳の身体を襲ってくる。
<br />男は淳のムッチリとした官能的な淳の身体を虜にするために,、
<br />全身で奉仕した。酒の酔いはさめている。
<br />男の淫情は燃え盛り、淳の淫乱な身体をヌルヌルにしてゆく。
<br />
<br />何もかも露にして淳は男の愛撫に応えた。
<br />男は太くてカチカチのペニスを淳のアナルマンコに深々と埋める。
<br />ペニスは淳の脳を焼き尽くしてゆく。
<br />「おお〜ぉぉぉぉ〜〜〜」
<br />野獣の叫びが二人から同時に上がった。
<br />
<br />淳はベッドの上に潰れている。
<br />１７５ｃｍを越える大き目の淳の身体は１８０ｃｍの男のタフさに降伏した。
<br />宮崎は、身支度をし、淳の寝顔を眺め優しく頬にキスして部屋を出た。
<br />
<br />車を拾うと杉並の自宅に向かった。
<br />今、マンションの部屋に送り届けた女とは、
<br />どこかで出会っていると確信していた。
<br />
<br />あの大きくて、じっと見つめてくる瞳は、
<br />一度見たら忘れられない魔力を潜めている。
<br />いつ、どこで？
<br />思い出せなかった。
<br />あの魅力的な淳が、親友の仇として、
<br />自分の命を狙っているとこは、当然、宮崎は知らない。
<br />
<br />今日、宮崎が淳とのぞみで隣り合わせになったのは、
<br />後輩の室井の仕組んだことであることなど
<br />夢にも想像できないことだった。
<br />
<br />今日、今夜、間違いなく”復讐”のスイッチはＯＮになった。
<br />
<br />淳は、宮崎の運転するＢＭＷの助手席で、
<br />伊豆への高速ドライブを楽しんでいた。
<br />友哉の仇、宮崎と約束した日光へのドライブの行き先を、
<br />淳の提案で伊豆天城方面に変更した。
<br />
<br />「そう、煙草止めたんだね。大変だったでしょ。」
<br />宮崎は続ける「僕も学生時代から吸ってたけれど２年前に止めたよ」。
<br />屈託無く宮境は話す。「ヘビースモーカーだったから、”煙草吸ってしまう”
<br />リアルな夢を見てあわてることがるよ」大らかな声で宮崎は続ける、
<br />「でも、夢と分かってほっとしたことが何度もあたなあ。」
<br />
<br />淳は、左前方に御殿場の仏舎利等を見ながら、
<br />「私は、手が自然に、いつも煙草を入れておいてたバッグに伸びてるの」
<br />と笑いながら言う。
<br />
<br />「貴女が煙草やめる事にしたのは嬉しいね。」。
<br />
<br />淳は、助手席で復讐計画を復習していた。
<br />
<br />淳は、ベットサイドに跪いている。
<br />ベットに腰掛けた彼の浴衣の前を拡げて、
<br />ペニスを口に頬張り、ネットリと味わっている。
<br />彼の、破裂しそうなくらい亀頭は腫れ上がり、
<br />ペニスは怒張しごつごつと筋張っている。
<br />
<br />淳が、ネットリとした舌使いで、おしゃぶりを続けていると、
<br />彼は、淳をベットに引き上げる。
<br />淳の乱れた浴衣からこぼれでた、大き目のバストを優しく揉み始める。
<br />彼は、淳に合図して身体を反転させる。淳を下にして６９の体勢をとっる。
<br />
<br />彼の長く太いものを喉の奥まで受け入れる。
<br />むせそうになるが我慢しする。
<br />彼は、やわらかく熱い喉の感触に、強い快感を覚え全身の筋肉を緊張させる。
<br />もう少しでいってしまうところだ。
<br />淳の、薄い陰毛が彼の眼に留まる。
<br />淳は恥ずかしそうに腰をうねらす。
<br />
<br />彼の、口と指が優しく淳のものを愛撫する。
<br />淳は、声を出しそうになるのをこらえた。
<br />色白の肌は全身桃色に染まる。
<br />男は淳と二度目の関係を持つことで淳を信用することになる。
<br />自分の女となったと思い込む。
<br />
<br />「次の沼津インターを降りればいいんだね」、突然、宮崎が淳に声をかけた。
<br />
<br />そうねと返事しながら、淳は、サイドミラーに３００メートル程後方に位置して
<br />追ってくる、室井が運転しているシルバーグレーの高級車を見ていた。それは淳の車だった。
<br />車は、彼女が、品川御殿山のマンションを出たときから、
<br />つけて来ていたが、宮崎は気がついていない。
<br />
<br />昨夜、室井は京都から上京して、品川駅前の高層ホテルに泊まって今日に備えたのだ。
<br />淳と室井とホテルのレストランで最終確認の打ち合わせをした。
<br />室井のセルシオは適切な距離を置いてついてきていた。  ]]></content:encoded>
		<dc:subject>復讐</dc:subject>
		<dc:date>2009-11-08T03:12:21+09:00</dc:date>
		<dc:creator>kaoru</dc:creator>
		<dc:publisher>DTI-BLOG</dc:publisher>
	</item>
		<item rdf:about="http://andoukaoru.dtiblog.com/blog-entry-90.html">
		<link>http://andoukaoru.dtiblog.com/blog-entry-90.html</link>
		<title>出逢いの季節</title>
		<description>出逢いの季節

夕暮れ時。

茜色に染まった街並み。
それは、心の奥にある郷愁という名の琴線を刺激するものがあると思う。
それが、本当に生まれ育った街の景色だから、なおさらそう感じてしまうんだろう。
見覚えがある建物。新しく出来た知らない店。
二年と半年前に見たきりの、思い出の中の景色と</description>
		<content:encoded><![CDATA[ 出逢いの季節
<br />
<br />夕暮れ時。
<br />
<br />茜色に染まった街並み。
<br />それは、心の奥にある郷愁という名の琴線を刺激するものがあると思う。
<br />それが、本当に生まれ育った街の景色だから、なおさらそう感じてしまうんだろう。
<br />見覚えがある建物。新しく出来た知らない店。
<br />二年と半年前に見たきりの、思い出の中の景色とは少しだけ違う、でも、やっぱり懐かしい街並み。
<br />
<br />四月。
<br />春風が優しく舞う季節。
<br />少し肌寒く感じる空気を大きく吸って、生まれ育った街の表情を懐かしく眺めていた。
<br />
<br />「あれ？……波綺？」
<br />それは、商店街の店先をウインドウショッピングしている時だった。
<br />すれ違った男に不意に名前を呼ばれ、反射的に振り向いた先に見知った顔が驚きの表情を浮かべていた。
<br />
<br />「…………」
<br />無言で見つめると、俺を『波綺』と呼んだ男は顔と全身……特に胸辺りに視線を行ったり来たりさせながら、しどろもどろになる。
<br />
<br />「え、あれ？　でも」
<br />「ひょっとしてナンパ……ですか？」
<br />内心の冷や汗を抑えつつ、軽く軽蔑したような視線を浴びせて答える。
<br />
<br />「あ、いえ！？そんなんじゃなくて、ちょっと知り合いに似てたから」
<br />それはそうだ。本人だもん。
<br />でも、それは言えない。言えない理由ってものがあるんだ。
<br />
<br />「そうですか。それなら、もう行っていいですか？　私、急いでますから」
<br />
<br />「あ、はい。すみません……失礼しました」
<br />頭を下げながら、男……確か後藤って名前だった……は不思議そうな顔で見送る。
<br />
<br />はぁぁぁぁ……。
<br />どうやらバレなかったみたいだな。
<br />
<br />実は、俺にはふたつの秘密がある。
<br />ひとつ目は、かなり親しい人以外には内緒にしてること。
<br />その秘密というのは、俺はちょっとした理由があって、今は「女」をやっている。
<br />やっているなんて表現するからには、元々「男」だったんだけど、オカマさんだとか女装癖があるなんて事情でもない。
<br />
<br />現に今の服装は、薄手のセーターにジーンズとブランド物のスニーカー。
<br />男の服装と言っても十分通用するだろう。
<br />身長は百七十一センチ。女性としては高い方なのかな。
<br />髪はストレートのセミロングで、肩を軽く覆うくらいあるけど今は首の後ろで束ねている。
<br />でも、ロン毛の男なんて珍しくもないだろう。
<br />
<br />顔立ちは中性……と言うか、昔から女顔だとよく言われていた。
<br />からかわれたりもしたけど、今では自分自身が見ても、すっぴんのままで普通に女の子に見える。
<br />この顔に加えて、先日Ｃカップになった胸と華奢な肩幅のおかげで、誰からも『男』だったってことを疑われなくなった。
<br />ナンパされたことも両手では足りないくらいあるし。
<br />……もちろん全部断ったけど。
<br />
<br />俺の名前は『波綺一樹』。今年で十七歳。
<br />さっきの後藤が言ってた波綺本人だ。
<br />俺は、十三歳……中学二年の夏まで男として育ってきた。
<br />本人はもちろん、両親や妹の瑞穂もそう信じていた。
<br />いや、信じていたと言うのは変だな。それは『常識』だったんだから。
<br />
<br />それがその夏、突然の原因不明の腹痛……盲腸だと思ってた……で入院した時に医者から告げられたのだ。
<br />確か、仮性半陰陽とか言って、生まれた時から遺伝子的には『女』だったそうで、外見……つまり、性器が男性のようになって生まれてきてしまったらしい。
<br />この症例は、極まれに遺伝子の伝達異常によって起こるものと説明を受けた。
<br />
<br />そんな突拍子もない事実を突然目の前に突きつけられて、俺は当然悪い冗談だと思った。でも、笑い飛ばそうとした俺を前に、医者も両親の顔も真剣そのものだった。
<br />家族も長男だと思ってたのが、実は長女だったということにショックを受けていたみたいだった。
<br />みたいだったなんて曖昧に表現するのは、当時は自分のことで精一杯で、家族のことにまで気が回っていなかったから。
<br />とにかく混乱していたことだけ覚えている。
<br />
<br />それから色々あって、カウンセリングの結果……と言うか、そもそもこのまま男としては生きていけないと言うことで、仕方なく手術を受けた。
<br />ちなみに、入院した腹痛の原因は初潮が始まったためだった。
<br />まぁ、アレだ。排卵が正常に行われなくて（出るところがないし）体内に溜まりこんで痛くなったそうだ。
<br />で、その手術と言うのは…………やめとこ。
<br />あんなこと、もう思い出したくもない。
<br />
<br />ともかく。こうして俺は女になってしまった。
<br />医者が言うには『戻った』と表現する方が適切だそうだが、感覚的には『なってしまった』以外のなにものでもない。
<br />生理も来なくていいのに一応ちゃんと来てるし、子宮などの女性としての器官もしっかりと存在しているらしく、排卵も正常に行われているので子どもも産めるかもしれないとのことだった。
<br />
<br />曖昧な表現なのは、試してみないとわからない部分があるからとか。
<br />しかし産めたとして、俺が『子どもを産む』なんて全然ピンとこないんだけどね。
<br />
<br />まぁ、そんな事情があって、学校には直接の挨拶もせずに転校した。
<br />……せざるをえなかった。
<br />だって、当時の俺は錯乱状態だったし、ついこの前まで一緒に遊んでいた友達に『実は女の子だったんだ』とか言えると思うか？
<br />気味悪がられて、笑いものにされるのがオチだ。
<br />俺も逆の立場だったらそう思っただろうし。うん。
<br />
<br />こんな納得いかない理由で、突然『女』になっちゃったわけだけど、顔立ちは元より女顔だったし、声も変声期前（そもそも変声するハズだったのだろうか？）だったので、見かけだけは女に見えなくもないのが救いと言えば救いだった。
<br />知り合いにさえ会わなけりゃ、俺が男から女になっちゃったなんて、そうそう気づかれないし。
<br />
<br />手術後は近所の目から逃れるために、ひとり両親の元を離れた。
<br />隣の市に住んでいる、親父の親戚の人がやってる下宿から転校先の中学校に通うことにした。
<br />
<br />最初の三ヶ月は入院生活で、その後もカウンセリングと手術後の療養（困ったことに使ってなかった筋肉などを鍛えないと失禁してしまうなど、色々普通の生活を送るにも支障があった）や、女性としての生活の講義などがあって、気がつけば半年近く学校に通わない日々が続き、出席日数の関係で転校先で改めて中学二年をやり直すことになった。
<br />
<br />だから学年的にはダブってることになる。
<br />この春から高校生になるんだけど、転校する以前のクラスメイトたちは二年生へ進級する。
<br />置いて行かれたようで寂しくもあるけど、学年が違えば、それだけ顔を合わせる危険が減るから逆に良かったと思うことにしている。
<br />
<br />名前は学校を変わった時に『一樹』から『さくら』と変えた。
<br />事情が事情だし、周囲の目から逃れるためにカウンセラーから変名を勧められて、両親は当然嫌がったけど俺は承諾した。
<br />さくらって名前は父さんの母さん、つまり婆ちゃんの名前だったらしい。
<br />変名するにあたって両親がそれならばと名付けてくれた。
<br />婆ちゃんは、俺の名付け親だったらしく、その名前を変えるならってことで決まった。
<br />その婆ちゃんも俺が二歳の時に亡くなっていたので、記憶にはほとんど残っていない。
<br />話に聞くと、穏やかな人だったらしい。
<br />
<br />今では、さくらって名前も二年もつきあってるので、大分愛着もでてきている。
<br />まぁ、その中学での二年間は、筆舌に尽くし難い出来事なんかが色々あったんだけど、それはここでは割愛しておく。
<br />思い出したくないこともあるし、なにより話し出すと長くなるから。
<br />
<br />そして、二年半も経てば、ほとぼりも冷めてるだろうと両親の強い希望もあって、高校は実家から通える公立校を受験して、この春からそこに通うことになっている。
<br />そんないきさつで、二年半ぶりに実家に戻ってきた。
<br />
<br />近所の人の中には、突然長男がいなくなって、代わりに見知らぬ（顔は見覚えあるかもしれないけど）女が出入りするのは疑問に思うかもしれないと言うことで、俺は『従姉』で『進学の関係上この家に預かってもらってる』ってことになっている。
<br />こういった理由で、しばらく離れていた実家に戻り、久しぶりに故郷の街並みを見て歩いてるってわけだ。
<br />
<br />ちなみに『一樹』は、体面的には死んだことにしてもらってる。
<br />どうも自分が死んだみたいで嫌な感じなんだけど仕方がないかな。
<br />男としての一樹は、もういないんだし。
<br />もちろん、実際の手続き的には死んでない。戸籍もすでに書き換えてるしね。
<br />
<br />で、もうひとつの秘密と言うのは……。
<br />
<br />まぁ、今は機会があったらってことにしておこう。
<br />自分自身でも持て余してることだし。
<br />そんなわけで、明後日から不安いっぱいの高校生活が始まるんだけど、その前に一騒動が待ち受けていようとは、この時はまだ予想だにしていなかった……。
<br /> 　 
<br />「ただいまー」
<br />「あ〜。お兄ちゃんお帰り〜」
<br />一週間ほど前に久しぶりに戻ってきた実家の玄関をくぐると、妹の瑞穂が愛猫チェリルを抱えて嬉しそうにとてとてと出迎えにきてくれた。
<br />
<br />瑞穂とは歳がふたつ離れている。
<br />共働きの両親に代わって小さい頃から面倒を見てきたせいもあってか、お兄ちゃんっ子でよく懐いてくれていると思う。
<br />それでいて小学校高学年くらいからは妙にお姉さん風を吹かせたりして、逆にこっちの世話を焼くようになった。
<br />正直、空回り気味だと感じることも多いけど、本人が好きでやっているみたいなので黙認している。
<br />それは二年半のブランクがあった今も続いているみたいだ。
<br />
<br />身内のひいき目があるのかもしれないけど、なかなか可愛いと思う。
<br />俺と瑞穂はあまり似ていなくて、瑞穂は母さんにそっくりだけど、俺は親父の方の母親、つまり婆ちゃんに似てるらしい。
<br />
<br />「瑞穂。お兄ちゃんじゃない。……お姉さん。だ」
<br />訂正すると『えへへ』と笑って、わかっているのかいないのか、舌をペロっと出した。
<br />
<br />「にゃぁ」
<br />チェリルが瑞穂の腕から抜け出して、靴下に額をこすりつけるようにすり寄ってくる。
<br />
<br />「チェリル！　瑞穂よりお兄ちゃんの味方なの！？」
<br />「そうだよな。チェリルは俺の味方だもんな〜」
<br />話しかけながらチェリルを抱きかかえる。
<br />胸の中で揺らしてやると、気持ち良さそうに目を閉じて喉をゴロゴロと鳴らした。
<br />
<br />「親父は？」
<br />キッチンの方に歩きながら、ちょっと膨れてる瑞穂の頭をポンポンと軽く叩いて話しかける。
<br />
<br />「まだ、帰ってきてないよ」
<br />「そっか。母さーんご飯まだ〜？」
<br />キッチンへ続く入り口の暖簾をくぐりながら母さんに晩ご飯を催促すると、
<br />
<br />「はいは〜い。もうちょっと待っててねぇ」
<br />母さんは楽しそうに笑顔で答えて料理を続ける。
<br />なんだか、いつにも増して嬉しそうだ。
<br />リビングルームのソファーに腰を下ろし、テレビのリモコンを操作する。
<br />抱えていたチェリルを離してあげると、にゃぁんと甘えた声で鳴いて膝の上でくつろぎ始めた。
<br />その横では、さっきから後をくっついてきていた瑞穂が、ニコニコと微笑みながらこちらを見ていた。
<br />
<br />「ん？　なにか顔についてるか？」
<br />テレビのチャンネルを変えながら尋ねると、
<br />
<br />「なんでもないよ。ただ、お兄ちゃんが帰ってきたのが嬉しくって」
<br />屈託のない笑顔で答える瑞穂。
<br />その言葉に、料理の皿を持って入ってきた母さんが相槌を打つ。
<br />
<br />「そうよねぇ。やっぱり一樹ちゃんがいると料理にも張り合いが出るわぁ」
<br />にっこりと微笑みながら、唐揚げを山盛りにした皿をテーブルに置く。
<br />
<br />「もう……。母さんも瑞穂もちゃんと呼んでくれよな。俺は『お姉ちゃん』で『さくら』なんだから。そんなことじゃ、いつかご近所にボロが出るってば」
<br />
<br />「そうねぇ。私の娘たちですから、近所でも評判の美人姉妹って噂も立つでしょうし」
<br />嬉しそうに次々と料理を運んでくる母さん。
<br />
<br />「言ったろ。俺は従姉なんだってば」
<br />「あらあら、そうだったわねぇ、さくらちゃん。でも、私のことは今まで通りに、母さんって呼んでいいですからね〜ふふ」
<br />
<br />…………。
<br />そう。俺が女になってしまって、母さんがショックを受けてたのは、ほんの最初の頃だけだった。
<br />それからすぐにこの事実を当たり前のように受け入れた。
<br />瑞穂も似たようなもんだ。性格も母さんに似てるし。
<br />
<br />問題は俺と親父で、手術のあと、引っ越ししてひとり暮らしを始めたのも名前を変えたのも、俺から提案して家族の中でも最初に親父が賛成した。
<br />そんなところは、どうやら男の方の肝が小さいらしい……って、今は女なんだけどね。
<br />母さんと瑞穂は、女になった俺とも今まで通りな雰囲気で接してくれるんだけど、親父とはどうも疎遠になったように感じる。
<br />そりゃぁさ、今まで手塩にかけた（？）息子が、実は女の子でした、なんて言ったら気落ちのひとつもするんだろう。
<br />今では、ちょこちょこっと挨拶するくらいで、以前のようには話さなくなった。
<br />ちょっと寂しいけど仕方ないかなとも思ってる。
<br />
<br />「さぁ、さくらちゃん瑞穂ちゃん、たーんと召し上がれ」
<br />「いただきまーす」
<br />手を合わせてから、俺と瑞穂はそれぞれのご飯に箸をつける。
<br />
<br />「たくさんあるからね。どう？美味しい？」
<br />「うん。やっぱり母さん、料理上手いよね」
<br />下宿先の食事を思い出しながら答える。
<br />
<br />別に、そこの食事がおいしくなかったってことじゃない。
<br />でも、飲み慣れた水や食べ慣れた味が味覚の基準になるものだ。
<br />俺も当番制で夕食を受け持っていたけど、まだまだ母さんには敵わない。
<br />
<br />「ふふ。ありがと。お世辞でも嬉しいわね〜」
<br />俺たちの食べる姿を嬉しそうに眺めながめる母さん。
<br />会話しながらも、布巾でテーブルを拭いたりと忙しそうにしている。
<br />ん？　ひょっとして照れてたりするのかな。
<br />
<br />「もう、お部屋の片づけは終わったの？」
<br />今度は急須にお湯を注ぎながら話しかけてくる。
<br />
<br />「大体は済んだかな？元々そんなに荷物なかったから。どっちかと言うと以前の持ち物を処分する方に時間がかかったくらいだし」
<br />「なにか欲しいものはない？」
<br />「欲しいもの？」
<br />「ドレッサーとか花柄のカーテンとか」
<br />「……いらない」
<br />「化粧品とかアクセサリーとか」
<br />「……いらない」
<br />「ワンピースとかハンドバッグとかはどうかしら？」
<br />「いらないってば！」
<br />「そう？　欲しくなったらお母さんに言ってね。さくらちゃんもお年頃ですからねぇ」
<br />
<br />「……お年頃……」
<br />さっきは女として扱えみたいなことを自分から言った手前、反論も出来ずに黙っていると、瑞穂が代わりに母さんに話しかける。
<br />
<br />「お母さん。瑞穂〜春物のワンピが欲しいな〜」
<br />天真爛漫と言うか無邪気と言うか、瑞穂が満面に笑顔を浮かべて甘えた声を出す。
<br />
<br />「あらあら。それなら今度、お母さんと一緒に見に行きましょうか」
<br />「うん。やったね」
<br />喜ぶべきか悲しむべきか。
<br />女同士の家族の会話としては遜色ない団欒のひとときに、心の中で溜め息をつきつつ黙々と食事を続けた。
<br />
<br />そんなこんなで親父が帰ってくる前に食事を済ませ、構って欲しそうな瑞穂を適当にあしらって自分の部屋へ退散する。
<br />明後日はいよいよ高校の入学式。
<br />ベッドの上に置いていた制服を目にすると、気分がどんよりと沈んでいく。
<br />
<br />……スカート。
<br />それもセーラー服。
<br />転校先の中学は私服登校（だからそこを選んだ）だったのでスカートを穿かずに済んだんだけど。
<br />
<br />カウンセラーの先生が言ってたんだけど、こういったものは慣れるのが一番だそうだ。
<br />日頃から身につけていれば、すぐに気にならなくなるそうなんだけど。
<br />そうは言っても精神面の抵抗が強くて、一度だけ穿いたことはあるものの、それ以来スカートだけは避けてきた。
<br />本当に慣れてしまえるものなのか信じ難いし、その自信もない。
<br />でも……学校は基本的に制服着用だし、ここであれこれと思案してても仕方ないので、とりあえず試着してみようかな。
<br />
<br />一度は決心して制服を手にしたんだけど、試着に対する葛藤が頭の中で渦巻いて思考が停止する。
<br />制服を見つめて、ぼぉ〜っと立ちつくしていると、静かにドアをノックする音が聞こえてきた。
<br />
<br />「お兄ちゃん……ちょっといい？」
<br />ドアの向こうから瑞穂の声が聞こえてくる。
<br />
<br />「どうぞ」
<br />と言うが早いか、俺の返事とほぼ同時に瑞穂が部屋に入ってきた。
<br />そして、手にしていた制服を目ざとく見つけると、はしゃいだ声を出す。
<br />
<br />「あ。高校の制服だぁ。光綾のは、ちょっちアナクロなセーラーだったね。でも、可愛くて結構男女ともに人気あるんだよ〜」
<br />なんだか、すごく嬉しそうな瑞穂を前に、俺はなにも言えずにまぶたを閉じる。
<br />無意識にこめかみがヒクヒクと震えた。
<br />
<br />「あれ？お兄ちゃん。なんか機嫌悪そうだね」
<br />そんな俺の変化を見て取ったのか、瑞穂が俺の顔を覗き込んでくる。
<br />
<br />「当たり前だ！　セーラー服なんて着られるか！！」
<br />「え〜？　なんで〜？　似合うよーきっと」
<br />その似合うってのも問題なんだ。
<br />まだ、男として育ってきた自覚と言うかプライドからか、スカートを穿くこと自体に抵抗を感じる。
<br />前に一度だけ穿いた時は股下が落ちつかないやら、女装してるみたいだわで、それ以来穿かなくなった。
<br />
<br />「ね。ね。着て見せてよ」
<br />「な！？」
<br />「予行練習だと思って。ね？　そうそう着方わかる？　瑞穂が教えてあげるよ」
<br />妙に……いや、かなり嬉しそうにして瑞穂が俺にセーラー服を着せようと、目をキラキラと輝かせている。
<br />一瞬断ろうかと思ったけど、明後日には着て行かなきゃならないんだし、現在かなり決心は鈍っていたけど元より試着してみるつもりだったので渋々了承した。
<br />意を決すると、パパッと今着てるセーターとジーンズを脱ぐ。
<br />
<br />「あ……わ……」
<br />瑞穂が持ってたセーラー服に顔を埋めて、それでも顔を真っ赤にしながらこっちを見ている。
<br />
<br />「？」
<br />「お姉ちゃん……胸おっきいね」
<br />そう言われて、マジマジと自分の胸を見下ろす。
<br />確か中三になってから急に成長しだしたんだよな。
<br />今ではもうなんともないけど、膨らみ始めた時は疼くように鈍い痛みが胸全体を覆っていて、四六時中意識が胸にいくし、触ると痛いしで正直パニックだった。
<br />医者の話では女性ホルモンが分泌され始めて、正常な発育が始まっただけだから心配するなとか言ってたな。
<br />
<br />「んー。まぁな。瑞穂も、そのうち大きくなるよ」
<br />なんの根拠もないけど、とりあえずそう口に出してみる。
<br />瑞穂は確かまだまだ小振りかもしれない。
<br />と言っても実際に生で見たことはないんだけど。
<br />
<br />「ねぇねぇ、やっぱり揉むとおっきくなるの？」
<br />興味津々、好奇心に爛々と目を輝かせて瑞穂が詰め寄るようにして訊ねてくる。
<br />いったいなにを言い出すかな、この娘は……。
<br />
<br />「……友達に遊び半分で揉まれたりしたことはあったけど、それは原因じゃないと思う。去年くらいからかな急に大きくなり始めたのは」
<br />「えぇ！？　ねぇ、お姉ちゃん。その友達って男の人？」
<br />「バカ。んなことあるわけないだろ。女の子だよ」
<br />親友にして悪友の月城薙の顔が思い浮かぶ。
<br />
<br />「ほぇ〜。それじゃ瑞穂もお姉ちゃんみたく、これからおっきくなるのかな？」
<br />そう言って自分の胸に両手をあてる。
<br />
<br />「そうなんじゃないの？」
<br />それにしてもコイツ、下着姿だとちゃんとお姉ちゃんと呼ぶのな。
<br />
<br />「さぁ、早く制服よこしな。風邪ひいちまう」
<br />「あ。ごめんね。ハイ」
<br />渡された制服のスカートをつまみ上げ、足を通してホックを留める。
<br />ちょっとウエストブカブカかな？
<br />
<br />「あ。それはね。ここで大まかに調節するんだよ。あとの微調整は、ここに金具が並んでるでしょ。これでやるんだよ」
<br />瑞穂が調節してくれてる間に、シャツのボタンを留めて上着の袖を通す。
<br />
<br />「リボンは普通に結べばいいよ。っと。これでよし」
<br />着付け（？）が終わって、姿鏡の前で前後ろとクルクル回ってみる。
<br />
<br />「ほらほら。お姉ちゃんすっごい良く似合ってるよ」
<br />「……」
<br />確か似合ってた。
<br />悲しいほどに……。
<br />セーラー服が似合う自分になんだか泣きたくなったが瑞穂の手前我慢した。
<br />コイツにはこの気持ち、絶対わかんないだろうな。
<br />
<br />「スカート、ちょっと短くないか？」
<br />膝上十センチほどのスカート丈が心許ない。
<br />
<br />「今は、これくらい普通だよ」
<br />「そうなのか？」
<br />パンツ見えるんじゃないのか？　これは。
<br />
<br />「うん。でもお姉ちゃん、足綺麗だからいいじゃない」
<br />「いや、そんなことを問題にしてるんじゃなくて」
<br />「気になるんならストッキングしたらどうかな？　確か学校指定のものがあると思うんだけど」
<br />
<br />「う〜ん。そうだなぁ……ないよりは安心するかもな」
<br />「お母さんが新しいのいくつか持ってたと思うからあとで聞いてみたら？」
<br />「ああ」
<br />「そうだ！　ねぇねぇ。お母さんにも見せてあげようよ」
<br />「いぃ！？」
<br />「ほらほら。早く早く！」
<br />「ちょっ、ちょっと待て……」
<br />瑞穂はこちらの返事も待たずに引っ張って行く。
<br />
<br />「お母さ〜ん。ほら、お姉ちゃんの制服姿だよ〜」
<br />キッチンに入ると、親父が帰ってきてて背広姿のまま水を飲んでいた。
<br />俺の制服姿を見て、コップを口につけたまま時間が止まったように動かなくなる。
<br />
<br />「まぁまぁ。さくらちゃん！　良く似合ってるわよぉ」
<br />「……ぁぅ」
<br />母さんが手放しで誉めちぎるせいで、女装を見咎められたような気恥ずかしさから顔が赤くなっていく。
<br />
<br />「そうやって、頬を赤く染めてるところなんて、すっごく可愛いわぁ」
<br />母さんがエプロンの裾を両手でギュッと握って、心底そう思ってるような仕草で遠慮のない感想を述べる。
<br />
<br />「うんうん。やっぱお姉ちゃん可愛いよ〜」
<br />「ふむふむ。これはボーイフレンドの四、五人はすぐに出来るわね〜」
<br />「ねぇお姉ちゃん。中学の時にラブレターとかもらってたの？」
<br />「そうねぇ、さくらちゃんならすでに引く手数多かな？」
<br />
<br />おもちゃとなっている俺を尻目に、親父はひとりキッチンから出て行った。
<br />ふぅ……。その後ろ姿を見送りながら小さく溜め息をつく。帰ってきてるって知ってたら、こんな姿で下りてこなかったんだけどな。
<br />息子の情けない姿を見て呆れちゃったかな。
<br />制服の話題で盛り上がる母娘を残し、ソッコーで部屋へ戻って着替えた。
<br />今日はもう風呂に入って寝よ。とほほ……。
<br /> 　 
<br />久しぶりに帰ってきた実家は、居心地がいいけど、なんだか以前のようにはくつろげないでいる自分を感じていた。
<br />それは、今の俺を受け入れてくれてる母さんや瑞穂、そして受け入れきれてない親父との関係のためだと思う。
<br />俺自身は以前と変わっていないつもりでいても、どうしても家族の反応が『女』としての俺に対するものになってるからなんだろう。
<br />
<br />この病気が判明してから、俺はすぐに入院したし、引っ越しもその間に行ったので『女』になってから家族にはそんなに会っていなかった。
<br />その理由は、この手の手術をする病院が実家から離れていたこともあったし、俺自身がナーバスになってたために面会は極力避けるように頼んだからでもあった。
<br />だから、ちょっとした家族の反応の違いが、違和感として大きく感じているのかもしれない。
<br />まぁ、そのうちに慣れてくるのかな？
<br />
<br />あれこれと思い悩みながら、着替えを手に脱衣所のドアを開けて視線を巡らせる。
<br />誰も入っていないことを確認してドアを閉めた。
<br />着替えを棚に置いて、なんとなく周囲を気にしながら服を脱ぐ。
<br />そして、無意識のうちに下着類を服の間にしまい込んでいる自分にちょっと苦笑した。
<br />
<br />「はぁ……」
<br />こんなことが当たり前になってる自分に戸惑いを覚える。
<br />女として生きて行くことに決めたはずなのに、未だ心の中では男のつもりでいる自分が存在する。
<br />
<br />女である現実と、男のつもりでいる心との違和感には、二年経った今でも戸惑うことが多い。
<br />幼い頃に確立した自我が性格を決定づけるとも言うし、この違和感は一生拭えないものなんだろうな……。
<br />
<br />衣服を脱いだ自分を鏡に映して見る。
<br />男には見えない柔らかな肩から胸への曲線や、くびれたウエスト。
<br />見慣れた今でさえ、これが俺だなんて信じられなくなる時がある。
<br />第二次性徴期前に手術をしたために、現在では女としての成長を遂げた結果だ。
<br />まぁ、今の姿も嫌いではないんだけど。
<br />男だった自分に未練がないわけでもないので複雑なところだ。
<br />
<br />しかし、自分の裸は見慣れたけど、未だに他の女性の裸はまともに正視出来ない。
<br />そりゃぁ興味はあるにはあるんだけど、堂々と見られる立場になるとかえって見られなくなってしまった。
<br />女になって二年半。
<br />今でも女の子相手にドキドキしたりするって変なのかな？
<br />それとも普通なんだろうか？
<br />…………。
<br />
<br />お湯加減は……っと、いいみたいだな。
<br />湯船をかき混ぜながら、覗かれていないか窓を確認する。
<br />下宿先でなんとなくついた癖なんだけど、以前覗きが出るって話があってから注意深くなった。
<br />その騒動の犯人は野良猫だったってオチがついて一件落着したんだけど、未だに確認してしまう。
<br />別に確認して困ることはないから、これはこれでいいか。
<br />
<br />かかり湯のあと、まずは髪を洗う。
<br />これだけ長いとかなりシャンプー使うんだよなぁ。
<br />前と比べると量的に三倍は楽に使っているだろう。
<br />濡れると重いし、乾かすのもすごく大変だし。
<br />個人的には面倒だからショートカットにしたいんだけど、それだと男だった時の俺と見咎められそうで渋々伸ばしている。
<br />
<br />リンスでトリートメントした髪を軽く濯いでから、髪をまとめて頭の上に乗せヘアキャップで留める。
<br />そして、ボディソープで体をくまなく洗ったあと、ゆっくりと湯船に浸かった。
<br />
<br />「はぁ」
<br />気持ちいいなぁ……。
<br />疲れがジンワリとお湯に溶けてくみたい。
<br />とその時、脱衣所の方に人影が見えた。
<br />母さんかな。洗濯物でもあるのかな？とか思ってると、すりガラスの引き戸が勢い良く開いた。
<br />
<br />「お姉ちゃん、背中流してあげるね〜」
<br />「み！　瑞穂！？」
<br />入ってきたのは瑞穂だった。
<br />湯船の中で慌てて体の向きを変えて入り口に背を向ける。
<br />
<br />「お、おまえ何考えてんだ！？」
<br />「なにって、お姉ちゃんとシンボクでも深めようかなって思って」
<br />「……」
<br />「あはは。なに照れてんの？お姉ちゃんってば」
<br />「お、おまえは恥ずかしくないのかよ！」
<br />「どうして？　女同士じゃない」
<br />心なしか瑞穂の声もうわずってるようなのは気のせいなのか？
<br />
<br />「そ……それはそうだけど」
<br />しどろもどろな俺をよそに、瑞穂は気にする風でもなく早速シャンプーを始める。
<br />そうだよな。女同士なんだし、別になんでもないことなんだよな。
<br />よし。そうと決まれば妹の成長した姿を。
<br />
<br />「って、おい！　そりゃぁやっぱりマズいって！！」
<br />ザバっと勢い良く湯船から立ち上がると、瑞穂がびっくりしていた。
<br />
<br />「先上がるから。ごゆっくり」
<br />瑞穂を視界に入れないように脱衣所へ戻る。
<br />
<br />「えぇ〜。もう上がっちゃうの〜？」
<br />「……」
<br />「もう……お姉ちゃん。そんな照れなくてもいいのに〜。昔はよく一緒してたじゃん」
<br />「いつの話だいつの！」
<br />まったく……何考えてんだか。
<br />
<br />都合二年間『女』として生きてきたけど、まだ女の思考って言うか発想が理解出来ない。
<br />やたら群れたがるし、誰が好きとかの色恋の話に至ってはなんでも共有しようとする。
<br />その赤裸々さにはかなり辟易した。
<br />男だった頃に抱いていた幻想とのギャップが激しすぎたと言うか……思春期の男（身体は女だけど）が知ってしまうには少し早すぎたと言うか。
<br />まぁ、中学の時のクラスメイトたちと比べれば、瑞穂なんて可愛いものだけど。
<br />お風呂場から『ねぇねぇ』と話しかけてくる瑞穂を無視して髪の水分をバスタオルで軽く叩いて吸い取る。
<br />
<br />「も〜。お姉ちゃんってば〜」
<br />少し怒ったような瑞穂の声を聞き流し、髪を再びアップにまとめる。
<br />手早くパジャマを身につけて脱衣所から逃げるように飛び出した。
<br />
<br />気疲れからくる溜め息をついて、リビングに顔を出すと母さんが声をかけてきた。
<br />
<br />「あら早かったわね。瑞穂と一緒じゃなかったの？」
<br />「一緒って……母さんからも言っておいてよ。びっくりしたったら」
<br />「いいじゃない。姉妹同士裸のつき合いも大切よ」
<br />「…………」
<br />母さんの考えもわからんわ……。
<br />
<br />視線を移すと親父がビールを飲んでいた。
<br />ちょっともらおうかな？　キッチンからコップを持ってきてっと。
<br />
<br />「親父。俺も少しもらうね」
<br />勝手に注いで一気に飲み干す。
<br />
<br />「お、おい」
<br />「っぷはぁ。ありがと」
<br />そのままリビングを出て行こうとすると、
<br />
<br />「おい一樹」
<br />親父から呼び止められた。
<br />「ん？」
<br />「おまえビール飲めるのか？」
<br />「……まぁ、ちょっとだけ」
<br />大きな声では言えないんだけど、ビールやお酒は下宿先の大学生の人とかに無理矢理飲まされてから、つき合いで飲めるようになった。
<br />それから、落ち込んだ時とか、ひとりで飲んだりしてたんだけど、この歳でアルコールに逃避するのもどうかなって気もしたので最近はやめてたけどね。
<br />
<br />「それなら今度、晩酌にちょっとつき合ってくれないか」
<br />親父がビールをかかげる。
<br />わお。話わかるじゃん。
<br />
<br />「了解〜。親父」
<br />右手で敬礼する。
<br />
<br />「それから、その、一樹……」
<br />「なに？」
<br />「その……良かったら、父さんって呼んでくれないか？」
<br />おぉ？　親父が照れてる？
<br />母さんもクスクス笑って『一樹じゃなくてさくらですよ』ってたしなめてる。
<br />
<br />「うふふ。この人ったらね。さくらちゃんが女の子になってから、どう接していいかわからないみたいなのよ」
<br />母さんが笑いながら説明する。
<br />
<br />「おい……美咲！」
<br />「息子と酒を酌み交わすことを楽しみにしてたんですものねぇ」
<br />「……」
<br />母さんの言葉に反論出来ない風の親父……いや、父さんは、黙ってビールを飲む。
<br />
<br />「それにね。さくらちゃんが、お母様にとても似ているらしくてね」
<br />「美咲。その話は」
<br />「はいはい。もう、照れ屋さんなんだからぁ」
<br />へぇ。父さんから見ても婆ちゃんに似てるのか。
<br />そこまで言われると、ほとんど婆ちゃんの記憶がないのが残念だな。
<br />
<br />「でも、さくらちゃん」
<br />「なに？　母さん」
<br />「お酒はハタチになってからです。あなたもそれまでは晩酌につき合わせることは我慢してくださいね」
<br />口調や表情は笑ってるけど、本気モードの母さんが柔らかくも高圧的なプレッシャーをかけてくる。
<br />
<br />「あ……。うん。わかった」
<br />こんな時には逆らってはいけない。
<br />小さな頃から培った経験と本能に従って、父さんと一緒に異口同音に頷いたのだった。
<br />
<br />「それじゃ、母さん、父さん。おやすみなさい」
<br />「あ、あぁお休み」
<br />「さくらちゃんおやすみなさい」
<br />トントンと階段を上がりながら、さっきの父さんの照れたような表情を思い返す。
<br />疎遠になったと思ってたのは気のせいで、父さんは照れていただけなのかな。
<br />母さんが言ったように、息子が娘に変わってしまって、どう接していいのかわからなかったのかもしれない。
<br />
<br />そう考えると上手く説明がつくように思えて、気がかりだった父さんとのことが、なんとなく解決したような気がして、その日はぐっすりと眠ることが出来た。
<br />
<br />翌朝。
<br />入学式を明日に控えた俺はバタバタとその準備をして、残った部屋の整理もサクサクと終わらせる。
<br />荷物少ないとこんな時楽だよな。
<br />
<br />朝食兼昼食を食べ終わった頃、来客を知らせるチャイムが鳴った。
<br />
<br />「さくらちゃん、ちょっと出てくれる？」
<br />「はーい。っと」
<br />食事の後片づけで手が離せない母さんの代わりに玄関へ向かう。
<br />
<br />コホン……。
<br />
<br />「はい。どちら様でしょうか？」
<br />よそ行き声と笑顔でドアを開けると、そこには良く見知った人物が立っていた。
<br />
<br />「あの。瑞穂ちゃん………………」
<br />そこまで言って固まってしまったのは、隣に住んでる『羽鳥恵』。
<br />平たく紹介すれば同じ歳の幼なじみで、今年十七歳になる。
<br />ジャギーが利いたボブカットでメガネの女の子……って、引っ越す前まではメガネしていなかったんだけどな。
<br />
<br />そんなことを考えてて、互いに十秒あまり見つめ合う。
<br />
<br />「えぇ！！　ひょっとして一樹なの！？」
<br />驚きを隠しきれずに、大声を出して指さしてくるメグ。
<br />
<br />「い、いえ……」
<br />なんと返事していいものかと言いよどんでいると、ちょうど二階から瑞穂が下りてきた。
<br />
<br />「あ〜。恵ちゃんだ〜。やっほ〜」
<br />お気楽に手を振りながら近寄ってくる。
<br />いいタイミングで瑞穂が現れた。
<br />これでメグの気をそらすことができる。
<br />
<br />「瑞穂ちゃんのお友達の方ですか？　初めまして。先日からこちらにご厄介になっている、従姉の波綺さくらです」
<br />一方的にまくし立てて、にっこり自己紹介する。
<br />しかし、よそ行き演技が珍しいのか、瑞穂が面白いモノでも見つけたかのようにキラキラと瞳を輝かせている。
<br />
<br />「従姉？　あ、すみません。こ、こちらこそ初めまして。隣に住んでる羽鳥恵です」
<br />お互いにペコリとお辞儀をして笑顔を返しあう。
<br />このまま有無を言わせずに話をそらそう。
<br />
<br />「瑞穂ちゃん、出かけるの？」
<br />メグの手前、中学時代に培った演技力を総動員して瑞穂に話しかける。
<br />
<br />「う、うん。恵ちゃんと遊びに行くんだよ。そだ！　お姉ちゃんも一緒しよ？」
<br />ちゃんづけで呼ばれて、瑞穂が一瞬戸惑う。しかし、すぐにいつもの調子に戻ると、腕をとって左右にぶらぶらと引っ張ってくる。
<br />
<br />「え？　お邪魔じゃないかな」
<br />「ないない。恵ちゃんもいいでしょ？」
<br />「そうね。良かったらご一緒しませんか？」
<br />うー。瑞穂め余計なことを。
<br />これは行かなきゃ不味そうな雰囲気だな。
<br />まぁ、余計なことを喋らないか監視の意味も含めてついていくかな。
<br />
<br />「それじゃ、お言葉に甘えさせていただきます」
<br />メグに会釈する。
<br />
<br />「やったね」
<br />瑞穂が腕に抱きついて無邪気に喜ぶ。
<br />その様子は、俺が心配してることなんて少しもわかってないと確信させるほど気楽に見えた。
<br />
<br />「ちょっと着替えてきますから、しばらく待ってていただけますか」
<br />笑顔が引きつらないように注意する。
<br />瑞穂に頼れない以上、自分で頑張らないと。
<br />
<br />「ええ。瑞穂ちゃんは大丈夫？」
<br />「あ。瑞穂も用意してくるね。恵ちゃん、上がって待ってて」
<br />「そうね。それじゃ、おじゃまします」
<br />勝手知ったるなんとやら。メグはリビングへと向かう。
<br />その後ろ姿を見送って、念のためさらに二階に上がってから瑞穂に忠告する。
<br />
<br />「いいか、余計なこと言うなよ」
<br />「あはっ。わかってるってば。お姉ちゃん」
<br />ニコニコ笑顔の瑞穂に、ちょっとだけ不安を覚えたけど、自分でフォローを入れりゃいいんだしと思い直して自室に戻った。
<br />
<br />さぁて。メグにもバレないようにしないとな。
<br />厚手のＴシャツにジャケットを軽くはおって、お気に入りのジーンズに足を通す。
<br />髪は、後ろでサクっとまとめて、こんな時のために買っておいた伊達メガネをかけて鏡を覗き込んだ。
<br />うん、これでかなり印象変わるかな。
<br />
<br />ささっと着替えて廊下に出ると、瑞穂とばったり出会う。
<br />と言うか俺を待ってたみたいだ。
<br />
<br />「あー。お姉ちゃ〜ん、もっとオシャレしないと〜」
<br />着替えた服装を見た瑞穂がダメ出しする。
<br />変じゃないとは思うんだけど、確かに飾り気なんかは一切無い地味な服装ではある。
<br />しかし、オシャレとか言われても、似たようなものしか持ってないから変わり映えしない。
<br />まさかパーティードレスを着ていくわけにもいかないし。
<br />
<br />「いいんだよ。これで」
<br />「う〜もったいないなぁー」
<br />「い・い・の」
<br />なにがもったいないんだよ……。
<br />
<br />リビングでは、メグと母さんが談笑していた。
<br />
<br />「恵ちゃん、おっ待たせ〜」
<br />「お待たせしました」
<br />「あらあら、来たみたいね。いいわね。みんなでお出かけって」
<br />「えへへぇ〜」
<br />母さんの言葉を受けて、瑞穂が満面の笑みを浮かべる。
<br />
<br />「それじゃ〜恵ちゃん。行こっか」
<br />瑞穂はメグの返事を聞くより先に玄関に向かう。
<br />
<br />「それではおばさま。失礼します」
<br />メグも母さんに挨拶して立ち上がった。
<br />
<br />「はい。気をつけてね」
<br />メグにウインクする母さん。
<br />
<br />（なんだ？）
<br />そのやりとりが気になったものの、すでに玄関で靴を履いている瑞穂の急かす声に返事する。
<br />メグが立ち上がるのを確認してから、玄関へ向かおうと踵を返した。
<br />
<br />「あ。一樹ちょっと」
<br />「なに？」
<br />「……なるほど」
<br />メグのメガネが窓から差し込んだ光を反射する。
<br />
<br />やってしまった……。
<br />メグの言葉に条件反射で振り返ったことで、頭が真っ白になる。
<br />
<br />「ぷっ。くすす、あははははは」
<br />母さんがこらえきれずに笑い出す。
<br />
<br />「あきれた。やっぱり一樹なんだ」
<br />心底脱力した表情のメグが凝視してくる。
<br />
<br />「…………」
<br />思わず視線をはずして、どう取り繕うかと思考をフル回転させる。
<br />でも空転するばかりで、起死回生の手だてなんてひとつも浮かんでこない。
<br />
<br />「ふふ。そうなのよ。どう？　なかなかの美人でしょ？」
<br />
<br />「か……母さん！」
<br />「いいじゃない。恵さんならバレたって問題ないわよ。幼なじみだったんだし。それに母さん、一樹が死んだなんて恵さんに嘘はつけないわ」
<br />メグは珍しそうに俺の顔を見ながらクルクルと周りを回り、ヘぇとか、ほぉとか頷きながら、しきりに感心している。
<br />
<br />「……メグ。もちろんこのことは内緒だからな」
<br />「わかってるわよ」
<br />人が悪そうな笑みを浮かべてウインクする。
<br />これでますますメグに頭が上がらなくなった。
<br />
<br />「ラミスのベーコンレタストマトバーガースペシャルセットで手を打ってあげるわよ」
<br />「……わかった」
<br />このあと、間違いなく起こるであろう質問責めを思って、心の中で深く嘆息したのだった。
<br />
<br />「……と、言うわけだ」
<br />「へぇぇ。転校の前に病気で入院してたとは聞いていたけどね。まさか女になっちゃってるとは思わなかったな。どうりで顔も見せずに転校したわけかぁ」
<br />説明している間、珍しく黙って聞いていたメグが、ほぅっと息をはきながら言葉を漏らした。
<br />
<br />商店街まで出てきてすぐに、メグに引っ張られるようにラミスに連れ込まれた。
<br />
<br />ラミスとは、正式にはラミスバーガーと言って、素材にこだわった自然指向を売りにしている店で店内がオシャレなことや、制服が可愛い＆学割が利く低価格が評判で中高生の人気が高い。
<br />今も制服姿ではないものの、学生らしきお客で賑わっている。
<br />まぁ雰囲気的にファーストフードと言うよりはファミレスに近いんだけど。
<br />
<br />で、結局払いの全部が俺持ちになって、それぞれに注文を済ませて窓際の席を陣取った。
<br />そして、オーダーがくるまでの間にことの経緯を簡単に説明させられていたってわけなんだけど……。
<br />
<br />「ま。あんたは昔から女顔だったけど、まさかホンモノの女の子だったってオチがつくとはねぇ」
<br />他人事のように（いや、実際に他人事だろうけど）メグが感想を漏らしながらマジマジと俺の顔を見つめる。
<br />
<br />「別にオチがつけたくて、こんなになった訳じゃないぞ！」
<br />「それにしては言葉遣いもしっかり『女の子』してたじゃない。最初は私も危うく騙されるところだったもの」
<br />メグが『やられたわ』って顔で俺を見る。
<br />
<br />「でもお姉ちゃん、家では以前のままの言葉遣いだよ」
<br />こら瑞穂。余計なこと言うなってーの。
<br />
<br />「そうね。今もそうだし」
<br />瑞穂の言葉に頷くメグ。
<br />
<br />「うるさい！　昔からの知り合い相手に女言葉で喋れるか！」
<br />「ほらほら、大きな声出すと周りの注目集めるわよ」
<br />「……」
<br />メグの言葉に、憮然としながらも黙り込んだ。
<br />
<br />「そう言えば、あんたってメガネかけてたっけ？」
<br />メグが不思議そうに俺の顔を見ながら尋ねる。
<br />
<br />「そう言うメグこそ。メガネどうしたんだ？」
<br />「私はちょっとね。前から悪くなってたんだけど、そうねぇ……一樹が引っ越した冬くらいに作ってもらったのよ」
<br />
<br />「視力そんなに悪かったっけ？」
<br />「両眼〇、六かな？　なくても生活に支障はないんだけど、やっぱりはっきり見えないってのはなんかね。一樹も視力落ちたの？」
<br />「……さくらって呼べよな。誰が聞いてるかわかんないんだから」
<br />「あ。そっか。ゴメン」
<br />「俺のは伊達だよ。ほら、レンズ薄いし平面だろ？」
<br />メガネをずらしてみせる。
<br />
<br />「じゃ、どうしてメガネしてんの？」
<br />「変装用〜。メグをごまかすためだったんだけど、無駄になったな」
<br />メガネをはずして胸のポケットにしまう。
<br />長時間してると頭痛がしてくるんだよな。
<br />
<br />「あら？　あんたってばメガネしない方が美人よね」
<br />「うんうん。瑞穂もメガネない方が好きだよ」
<br />「う〜うるさい！」
<br />「結構さぁ、男の子が言い寄ってきてたりするんじゃないの〜？」
<br />メグは、にへらっと嫌な笑みを浮かべて俺の顔を覗き込む。
<br />
<br />「……」
<br />ある意味“事実”なだけに、コーラを飲むことで返事を誤魔化して黙っていた。
<br />
<br />「それで一樹……じゃない、さくらは、今年光陵に進学するんだっけ？」
<br />「ああ」
<br />「じゃ、セーラー着るんだ」
<br />「不本意だけどな」
<br />「私も光陵だよ。明日からよろしくね」
<br />「へ？　メグもなのか？」
<br />「そうよ」
<br />なに言ってるの？　当たり前じゃないって顔をしてＢＬＴバーガーにかじりつく。
<br />
<br />「メグならもっと上の高校行けたんじゃないか？」
<br />「かもしれなかったけど、通うには光陵が近くていいのよ」
<br />「ふーん」
<br />メグはオレンジジュースを一口飲むと、真面目な表情で口を開いた。
<br />
<br />「ねぇ、真ちゃんは、さくらのこと、もう知ってるの？」
<br />「いいや。引っ越してから一度も会ってないからな。知らないと思う」
<br />
<br />
<br />真ちゃん……『赤坂真吾』は、俺とメグと一緒に小さい頃から遊んでいたもうひとりの幼なじみだ。
<br />小学校の高学年の頃、真吾の両親がマイホームを建てて引っ越しした。
<br />それで校区が変わってしまって、中学は別々になってしまったけど、休日前には泊まりに行ったりして一緒によく遊んでいた。
<br />なんでも器用にこなす方でスポーツも全般得意だった。
<br />ご両親の育ちがいいこともあってか、性格も温厚でよく気がつく子どもだったと思う。
<br />俺やメグのフォロー役でもあり、互いに掛け値なしで信頼していた親友と呼べる間柄だった。
<br />
<br />……俺が引っ越すまでは。
<br />
<br />「真ちゃんも光陵なのよ」
<br />「え！？　そうなのか？」
<br />「ふふん。真ちゃん今では格好良くなっちゃってモテモテなんだぞぉ」
<br />「真吾は前から女の子に人気があったじゃないか」
<br />「ちっちっちっ。それに輪をかけて人気あるのよ。ファンクラブまであるんだから」
<br />「そうだよお姉ちゃん。真吾お兄ちゃんホントに格好良いんだから」
<br />瑞穂がまるで自分のことのように自慢する。
<br />
<br />「へぇ。今度会うのが楽しみだな」
<br />「で。どうする？　なんなら私から真ちゃんに言おうか。一樹のこと」
<br />「いや……そうだな。真吾にもちゃんと話しておかないとな。俺から直接言うことにするよ」
<br />「そう。それが良いかもね〜って、ちょっと待って。直接会いに行くつもり？」
<br />「そうだなぁ。どうせ明日から学校だし、学校で話そうかな」
<br />「それなら、私が真ちゃん呼び出してあげるよ。教室とかで驚かれるとなにかと不味いでしょ」
<br />「あ。そうか。サンキュ。そうしてもらうと助かる」
<br />「まね。色々大変だろうから出来るだけ協力してあげるわよ」
<br />「ああ。それでこそ今日奢りにした甲斐があったってもんだ」
<br />
<br />「瑞穂もねぇ、光陵を受けようかと思ってるんだよ」
<br />話が落ちついたところで、内緒話を打ち明けるように瑞穂が話す。
<br />
<br />「あー？　おまえ成績大丈夫なのか？」
<br />「大丈夫大丈夫。だってお姉ちゃんが入れるんだもん。楽勝だよ」
<br />「あはは。それは言えるわねぇ」
<br />ふたりはクスクスと笑いあう。
<br />
<br />「おまえらなぁ。俺の今の成績知らないからそんなこと言ってられるんだぞ」
<br />「えぇ〜。中学の時って成績イマイチだったじゃない？」
<br />「ふふふ。真の実力を隠していたのだよ」
<br />「はいはい。それじゃ瑞穂ちゃん、次行こっか」
<br />メグが話を聞き流して席を立つ。
<br />
<br />「あ。恵ちゃん、トレーは瑞穂が片すよ」
<br />「……おまえら俺の話聞けよ」
<br />そんな馬鹿げた、しかし、昔と変わらない会話に心が休まるのを感じた。
<br />なんか昔に戻ったみたいだな。
<br />
<br /> それから、メグと瑞穂はショッピングに行くと言うので、なにを買うのか聞いてみたら『下着』と即答されたので迷わず別行動にした。
<br />
<br />「え〜？　お姉ちゃんも行こうよ〜」
<br />「そうよ。何遠慮してるの？」
<br />メグは俺の心情を正確に理解しているであろうニヤニヤ笑いで訊いてるだけに始末が悪い。
<br />まぁ、瑞穂の天然さも困るんだけど。
<br />
<br />「ちょっとな。用事あるから」
<br />適当な理由をつけてふたりと別れた。
<br />過去を知られていないクラスメイトたちとかならともかく、男だったことを知ってるヤツラと、そんな場所に行けるかっての。
<br />
<br />メグや瑞穂と別れたあとは、本屋で適当に立ち読みしたり、コンビニを冷やかしたり、単に散歩したりして時間を潰した。
<br />家を出たのは昼前だったけど、すでに日差しはかなり傾いている。
<br />あてもなくふらふらと歩いてると、懐かしい公園にたどり着いた。
<br />
<br />「へぇ、この公園って変わってないなぁ」
<br />当時の面影を色濃く残す公園を眺める。
<br />この公園で小学生の頃、真吾やメグとよく遊んだっけな。
<br />
<br />余談になるが、ここは『中央公園』とか、町名から『柏本町公園』とか呼ばれることが多い。
<br />でも、正式になんと言う公園なのかは誰も知らない。
<br />地図を見ても公園としか記されてなく、入り口にも名前が書かれたプレートなどは見あたらない。
<br />俺的町内七不思議のひとつに認定しているスポットだ。
<br />
<br />……閑話休題。
<br />
<br />ボートも貸し出してる割と大きい池のそばまで行くと、ますます懐かしいって気持ちが溢れてくる。
<br />二年半程度しか離れてなかったけど、やっぱり故郷は良いなぁって感じる自分が少しだけ照れくさい。
<br />
<br />「や、やめてください……あの、あたし、人を待ってるんです」
<br />後ろから嫌がる女の子の声が聞こえてきた。
<br />振り向いてみると、十メートルほど離れた場所で、大学生くらいのふたりの男が女の子の手首や肩を掴まえて迫っていた。
<br />
<br />まったく。こんな奴らって、どこにでもいやがるんだな。
<br />そう言えば、二ヶ月程前にしつこいナンパにあって辟易したっけ。
<br />断っても無視してもつきまとってきて、あげくには抱きつかれもした、な……。
<br />
<br />あー！！　なんだか思い出したら無性に腹立ってきた。
<br />別に正義感を振りかざすつもりはないけど、このまま見逃すのも寝覚めが悪くなりそうだ。
<br />大体、引き際も見極められない奴は声かけるんじゃねぇっての。
<br />
<br />小さく深呼吸して小走りで近づくと、三人の中に強引に割り込む。
<br />
<br />「ごめーん。待った？」
<br />と、女の子に声をかける。男どもは当然無視だ。
<br />
<br />「ごめんね〜許して。この通り」
<br />三人は突然の成り行きについていけずに黙り込む。
<br />
<br />「そんな怒らないで。そうだ。駅前のケーキ屋のチーズタルト奢るからさ。ね？」
<br />勢いに釣られたのか、それともチーズタルトに反応したのか、彼女が小さく頷く。
<br />
<br />「よし。じゃぁ行こっか。売り切れるといけないから、早く行こ」
<br />どさくさに紛れて男の手から彼女を奪還し、肩を抱いて歩き出す。
<br />
<br />「……おい。ちょっと待てよ！」
<br />完全に無視された男ふたりが、肩を掴んで引きとめてくる。
<br />
<br />顔だけで振り返って、男に冷ややかな視線を浴びせる。
<br />前にクラスメイトから聞いた話だけど、こういう時の俺の表情はホントに冷たく見えるんだそうだ。
<br />それ以来、なるべくそんな表情はしないようにしてるんだけど今はそれが好都合だ。
<br />
<br />「なに？」
<br />冷たく言い放つと、肩を掴んでいる男が気圧されたように口をつぐむ。
<br />もうひとりの方は直接視線を合わせなかったからか、気にせずナンパを続行する。
<br />
<br />「あれ？　君も女の子か。なかなか可愛いね。そうだ、ねぇねぇ。ドコ行くの？　女の子ふたりじゃ危ないよ。オレらも一緒に行ってあげよっか」
<br />頭悪そうな締まりのないツラで話しかけてくる男を避けるように、女の子がぎゅっと腕にすがりつく。
<br />よっぽど恐い思いしてたんだな。
<br />
<br />「そう言えば誰？　あんたら」
<br />その存在に、今、気がついたように問いかける。
<br />
<br />「俺ら、この近くに住んでるんだけどさ、今から遊びに行くんだろ？　穴場スポットとかチョー詳しいからさ、一緒に遊ぼうぜ〜」
<br />「ありがとう。さようなら」
<br />真顔で返事して歩き出す。
<br />
<br />「待てよ。いいじゃんか。人数多い方が楽しいぜぇ」
<br />「でも、四月って言ってもまだ寒いねー。朝晩はコート着ててもいいんじゃないかなってくらい」
<br />女の子に笑いかけると、ようやくその表情が少しだけ綻ぶ。
<br />うん。とりあえず今だけは話を合わせてくれ。
<br />
<br />「おい。待てってば」
<br />「池とか湖のそばだと特に寒く感じるしね。だからこそ避暑にはいいんだろうけど」
<br />「この！　シカトしてんじゃ……」
<br />男が腕を掴んでくる。
<br />だけど男は、俺と視線が合ったところで言葉を無くした。
<br />怒りの表情が戸惑いに変わっていく。
<br />
<br />「まだなにか？」
<br />にっこりと冷たい微笑みを浮かべて一瞥する。
<br />
<br />「おい、もう他の娘のとこ行こうぜ」
<br />「けっ。つまんねぇ奴。おう、行け行けブス」
<br />男たちの言葉に女の子がびくんと震える。
<br />
<br />あぁ〜もうなぁ〜。
<br />だから嫌いなんだよ、この手の輩は。
<br />
<br />「おまえらの目は節穴か」
<br />嘲るような声に男たちが立ち止まる。
<br />睨んでくる視線を真っ向から受け止めて、女の子を背後から抱きしめた。
<br />
<br />「こんな可愛い娘そうそういないよ？　おまえらの方が相手にされてないだけだって気づけよ。まったく、外見通りの知能指数しかないのかよ」
<br />「て、てめぇ……」
<br />男たちの顔が怒りで赤く染まっていく。
<br />立ち位置を半回転して怯える女の子を背中に庇う。
<br />
<br />「どうした。ほら、もう行けよ。バイバイ」
<br />男らの表情を読み取りながら少しだけ後悔する。
<br />言い過ぎだとは思わないけど、言わなくても良かった言葉で危険を招いてしまったようだったから。
<br />
<br />ふたりの男は怒りで血走った目で睨みながら、囲むようにジワジワと距離を詰めてくる。
<br />その圧力に耐えかねたのか、背中の女の子が上着にしがみつく。
<br />
<br />さて、どうするか。
<br />最善は戦わずして勝つことなんだけど、今更話し合いで解決しそうな雰囲気じゃない。
<br />となると、残る手段は……。
<br />
<br />ジリジリと詰め寄る男たちに背中を向け、女の子と向かい合う。
<br />こわばっている女の子を安心させるように微笑んでから、その顔を挟むように両手で耳を塞いだ。
<br />そして、すぅ〜っと大きく息を吸う。
<br />その時、男の手が俺の肩を掴んできた。
<br />振り向くと、予想以上に近く、その男の顔があった。
<br />
<br />「きゃぁーっ！　誰か助けてーっっ！！」
<br />絹を引き裂くような金切り声で助けを呼ぶ。
<br />
<br />草木がざわざわと揺れ、公園中に響いたのではないかと自負できるほどの大きな声。
<br />その声を至近で浴びた男が顔をしかめて耳を押さえる。
<br />
<br />何事かと周囲の視線が集まるのを確認して男たちに向き直る。
<br />驚き、怒り、戸惑いと、いろんな感情で目まぐるしく変わる表情を観察しながら一歩距離を取る。
<br />
<br />「……あ。警察に通報してる」
<br />その背後に視線を向けてつぶやく。
<br />すると、男たちが慌てて振り返り、挙動不審者のようなぎこちなさで逃げていった。
<br />
<br />しばらく周辺の様子を見ていたけど、男たちの去り際が鮮やかだったためか、誰かが近づいてきたり、実際に警察を呼ばれたなんてこともなさそうだった。
<br />
<br />「……なんてね」
<br />事態を飲み込めない女の子と視線を合わせてウインクする。
<br />
<br />「あ、あの……」
<br />男たちが視界に居なくなって安心したのか、ようやく女の子が話しかけてきた。
<br />
<br />「大丈夫だった？」
<br />肩にかけていた手を離して、女の子に向き直って声をかける。
<br />
<br />「あの……お姉様ぁ。ありがとうございましたぁ」
<br />そう言って彼女は、ギュゥッと腕にしがみつくと泣き出してしまった。
<br />
<br />お、お姉様ぁ！？
<br />それに、泣かれても困るんですけど……。
<br />
<br />とりあえずベンチに座らせて、落ちつくのを待つことにした。
<br />腕にしがみつかれ動くことも出来ないので、この間に女の子を観察する。
<br />年齢は中学生くらいかな。でも、高校生に見えなくもない。
<br />少なくとも俺よりも年下だと思うけど。
<br />
<br />フワフワの髪を大きく編んだ三ツ編と、幼い顔立ちが余計に年下っぽい雰囲気を醸し出してる。
<br />でも、胸は俺よりも大きいかもしれない。
<br />しがみつかれた腕に感じるボリュームは未知の領域に突入してる。
<br />
<br />失礼にもそんなことを考えてる間に落ちついたらしく、彼女は慌てて腕から離れた。
<br />
<br />「あ！　あの……ごめんなさい！　あたし、初めて会った人に……」
<br />「いいよ。恐かったんでしょ？　もう落ちついた？」
<br />出来るだけ優しく女の子に声をかける。
<br />
<br />「は、はい。ありがとうございました」
<br />彼女は真っ赤になって頭を下げる。
<br />
<br />「あの、あたし、小椋志保って言います。あの、良かったらお姉様のお名前を……」
<br />小椋志保と名乗った女の子は、なかば崇拝が混じったような目つきで訊ねてくる。
<br />
<br />「え……えっと。志保ちゃん？」
<br />「はい！」
<br />「その、お姉様って呼び方はちょっとやめて欲しいかな」
<br />「そ、そうですか……」
<br />しょぼーんと、見てわかるほどに意気消沈する。
<br />
<br />「じ、自己紹介するね。私は波綺さくらって……」
<br />「さくらお姉様！　ぴったりなお名前ですっ」
<br />またもや腕に抱きつかれる。
<br />
<br />先程からの事態に冷や汗が止まらない。
<br />こんなんで動転するのは女としておかしいってのは理解してるんだけど、そうは言っても鼓動はますますヒートアップしていく。
<br />
<br />しかし、お姉様ってなんなんだよ。
<br />通りすがりの人に呼ばれる名詞じゃないだろ普通。
<br />まぁ、世の中は広いし、そういう属性があるのは知ってるんだけど、これはそれとしてどうしたものか。
<br />
<br />ちょっとテンパってきたか俺。
<br />でもちょっとだけ嬉しいかも。いや、嬉しい嬉しくないって問題ではなくて。
<br />
<br />「え〜。志保ちゃんは高校生、かな？」
<br />質問しながらさりげなく腕を抜く。
<br />
<br />「はい！　明日から光陵高校三年生です」
<br />「そうなんだ。光陵の、さ？　三年生ぇぇっー！？」
<br />「はい。それがなにか？」
<br />驚く俺を見て首を傾げる志保ちゃんの顔をマジマジと見つめる。
<br />うわ。改めて見てみると、結構好みかも……いやいや、今はそんなんじゃなくて。
<br />
<br />どう見ても中学生にしか思えないぞ。
<br />でも、意外と胸が大きいから、譲歩して童顔の高校生くらい。
<br />せいぜい今年高校一年生くらいだろうと。
<br />
<br />あー！　パニック！！　いや待て待て、落ちつけ俺。
<br />外見だけで人を判断しちゃいかん。うん。冷静に冷静に。
<br />しばらく無言で見つめていると、志保ちゃんは視線をそらして、片手を頬にあてて顔を赤らめる。
<br />
<br />「い、いえ。それでは『志保先輩』って呼ばないと失礼ですね」
<br />あらぬ誤解をされるまえに、思考を中断して慌てて言葉をつなぐ。
<br />
<br />「え？」
<br />「私も明日から光陵高校の生徒になるんです」
<br />「明日からって……入学？　って、い、一年生ぇぇっー！？」
<br />さっきとは逆のシチュエーションで志保ちゃん……じゃなくて志保先輩が叫ぶ。
<br />
<br />「あたし、てっきり同い年か大学生かと思ってましたー」
<br />しばらくお互いを見つめ合ったあと、クスクスと笑いあった。
<br />
<br />小椋志保先輩と話しているうちに、すでに日は大きく傾いてきていた。
<br />公園の時計が六時を知らせるチャイムを鳴らす。
<br />その音を聞いて、先輩は弾かれるように立ち上がった。
<br />
<br />「あれ？　もうこんな時間？　たいへん！　待ち合わせ遅れちゃう！」
<br />「じゃ、じゃぁ私はこれで」
<br />「あの！　さくらさん」
<br />先輩が遠慮がちに服の裾を引いて引きとめる。
<br />
<br />「はい？」
<br />「お時間ありませんか？　よかったらお礼したいんですけど」
<br />「あ。気を使わなくていいですよ」
<br />パタパタと両手のひらを胸の前で左右に振る。
<br />
<br />「なにか軽くお食事でも奢らせてください」
<br />「いや……」
<br />「お願い」
<br />志保先輩は、手を組み合わせて祈るようなポーズで見上げている。
<br />
<br />うぅ。そんな子犬のような瞳で見ないでくれ。
<br />なにか悪いことをしているような罪悪感に苛まれる。
<br />う〜ん、これから学校で会うこともあるだろうし、先輩だし、無下にも出来ないかな。
<br />
<br />「……はい。それじゃごちそうになります」
<br />「あは。嬉しいです。あたしのお友達にも紹介しますね」
<br />「えと。先輩？」
<br />「ん？」
<br />「どうして敬語なんです？」
<br />「え？　なんででしょう。さくらさんは嫌ですか？」
<br />「嫌ではないですけど、先輩から敬語ってのはちょっと身の置きどころが……」
<br />「でも、さくらさん恩人だし。ちょっと馴れなれしくなりますけど良いですか？」
<br />「はい。普通に後輩に喋るようにしていいですから」
<br />「うん。それじゃぁ……そうだ。さくらちゃんって呼ぶね。だから、さくらちゃんも同じようにして。最初の時みたいに」
<br />「ええ！？　先輩にですか！？」
<br />「嫌なの？　それじゃぁあたしも……」
<br />「わ、わかりました。そうさせていただきます」
<br />「……いただきますぅ？」
<br />「あ、じゃぁ、そうさせて……もらうね。志保…ちゃん」
<br />「うん！　よろしい。さ。さくらちゃん、早く行こう。ちひろちゃん待ってるから」
<br />
<br />それから公園を抜けて待ち合わせの喫茶店がある商店街方面へ向かった。
<br />志保ちゃんから学校のこととかをいろいろ聞きながら腕を組んで歩く。
<br />
<br />腕を組むって……。
<br />これって、なんだかデートみたい……だな。
<br />とりあえず、今は端から見るとどうなのかは考えないことにした。
<br />
<br />「さくらちゃんってすごいのね。あの男の人たちを余裕で追っ払ってたもの」
<br />「そうでもないよ。中学の時に友達につき合って武道をやってたせいかな」
<br />「あ。そうなの？　あのね。これから会うあたしのお友達も武道……合気道部に入ってるんだよ」
<br />「へぇ。光陵にもそんな部があるんだ」
<br />「うん。ちひろちゃんは大会でも良いところまでいくんだよ」
<br />「ふぅん。強いんだね」
<br />「うん、すごいんだよー。でも、さくらちゃんとどっちが強いかな？」
<br />「私なんて、きっと足下にも及ばないよ」
<br />合気道歴は自慢じゃないけど一年未満だし。
<br />
<br />「あやや。謙遜、謙遜」
<br />「そんなことないってば。志保ちゃんは、なにか部活動やってるの？」
<br />「えへへ。なんだと思う？」
<br />「そうだなぁ。声が綺麗だから声楽部とか？」
<br />「ブブー。はずれでぇす。正解はお料理研究会ですっ」
<br />「そんなのもあるの？」
<br />「部じゃないんだけどね。あたし、お料理好きだから一年生の時からずっと入ってるんだよ」
<br />「本格的に料理作ったりするの？」
<br />「たまにね。大体はお菓子とかケーキとかかな？」
<br />「ふぅん」
<br />「そうだ。今度さくらちゃんになにか作ってあげようか？」
<br />「え？　いいの？」
<br />「もちろんよ。甘いものとか大丈夫？」
<br />「うん。結構甘党」
<br />「ふふ。それじゃぁなに作ろうかなぁ」
<br />そんな会話を交わしているうちに、待ち合わせ場所らしい喫茶店が見えてきた。
<br />
<br />その時、後ろから二輪の甲高い排気音が聞こえた。
<br />日常耳にしている音なんだけど、なにか嫌な予感がして振り向いた。
<br />夕暮れ時の薄暗い空をバックに、ライトの光が真っすぐにこちらを照らしている。
<br />その光で誰が乗っているのかまではわからない。
<br />スピードを上げながら、真っすぐこちらへ向かってくるのを訝しく思い、道の端へ避けようと志保ちゃんの肩を押す。
<br />そこで初めて、ノーヘルで運転する男の顔が見えた。
<br />
<br />「！」
<br />あれは、さっきの男たち。
<br />
<br />後部シートの男が木刀らしきものを振り上げ、そのバイクは真っすぐ俺たちめがけて襲いかかってくる。
<br />
<br />あいつらマジか？　たかがナンパに失敗したくらいでここまでするのか。
<br />
<br />ひとりならば、どうとでもなるけど今は志保ちゃんがいる。
<br />走って逃げるか、この場でやりすごすか。
<br />バイクはもう目前に迫っていて迷ってる暇はなかった。
<br />
<br />志保ちゃんを庇ってバイクに背を向け、逃げるように壁いっぱいまで下がる。
<br />直後、振り下ろされる木刀を左腕でなんとか受け流す。
<br />カメラのフラッシュのような閃光が視界を覆い、瞬間、左半身に衝撃が走った。
<br />バイクと接触したのか、身体が前へと飛ばされる。
<br />痛みよりも息が詰まった苦しさに耐え、自分がクッションになるように志保ちゃんと身体を入れ替える。
<br />
<br />頭に強い衝撃を感じて目の前に星が散るのを感じた。
<br />
<br />うわっ。星って本当に見えるんだ……。
<br />そんな場違いなことを考えつつも意識が保てなくなっていくのを感じる。
<br />その視界の隅で、ふたり乗りのバイクが反対車線の歩道に乗り上げるのが見えた……ような気がした。
<br />
<br />志保ちゃんが名前を呼んでいるような気がしたけど、意識はそのまま深いところへ落ちていった。
<br />
<br />………………。
<br />…………。
<br />……。
<br />
<br /> 　 
<br />唐突に目が覚めた。
<br />まるで、テレビの電源を入れた時のように意識がはっきりする。
<br />感触と視点の高さからベッドの上だと予想しながら、まだぼやける景色に目を凝らした。
<br />
<br />「んっ……」
<br />見慣れない部屋の風景を見回しながら、ズキズキと痛む頭に顔をしかめる。
<br />頭を押さえようと持ち上げた左腕がギプスで固定されていることに気がつく。
<br />
<br />あれ？　なんで俺ギプスなんかされてるんだ？
<br />確か志保ちゃんと歩いてて……。
<br />そうだ。後ろからバイクが襲ってきたんだっけ。
<br />う〜。あの木刀、上手く受け流したと思っていたんだけどなぁ。
<br />
<br />そう思ってギプスを眺めながら『ここは病院のベッドなんだろうな』とか考えていると、病室のドアをノックする音が聞こえてきた。
<br />
<br />「どうぞ」
<br />返事をして窓の外を眺める。
<br />窓から見える空は明るくて、今の時間が午前中であることを確認した。
<br />あれは夕方くらいだったから……丸半日近く寝てたのか。
<br />
<br />「あら、さくらちゃんお目覚め？　頭の方は大丈夫？」
<br />病室に入ってきたのは母さんだった。
<br />
<br />「ちょっと痛いかも」
<br />「そう。じゃ看護婦さん呼ぶわね」
<br />母さんがインターホンでナースルームに連絡する。
<br />小さい頃から怪我が多かったこともあって、母さんも手慣れたものだった。
<br />
<br />その後、担当医が現れて、脳震盪で半日寝ていたこと、怪我は左腕の単純骨折と頭と背中から脇腹にかけての打撲、左足首の捻挫だけで、これから頭の方の精密検査を再度行うことなどの説明を受けた。
<br />
<br />そして、昼すぎには頭の精密検査も終わった。
<br />その結果が出るまで、もう一日入院することが決まり、母さんはまた明日の朝に来ると言って帰っていった。
<br />
<br />それからまもなく、警察の人（私服だから刑事かな？）が来て、事故についていくつか質問された。
<br />その応答は、想像より簡単に済んで拍子抜けしたほどだった。
<br />もっと詳しく訊かなくてもいいのかと質問すると、なんでも、その人の直属の警部が事件の一部始終目撃していたとのこと。
<br />だから、事故以前の出来事について訊くだけで済んだようだった。
<br />でも、それも志保ちゃんからすでに訊いていたらしく、俺へ質問は形式と確認のためだけだったらしい。
<br />
<br />「あ。それと、もうひとついいかな？」
<br />手帳をしまいかけた刑事さんが、思い出したようにもう一度それを開き直した。
<br />
<br />「はい。なんでしょうか？」
<br />「君を襲ったバイクだけどね。車線を越えて歩道を乗り上げ壁に激突した。乗っていたふたりはノーヘルだったから、君より酷い怪我で……まぁ、これは自業自得だね。今は警察病院に収容されている。意識も戻ったようだから今日あたり事情聴取があるだろう」
<br />一気に喋ってから、俺を観察するように視線をとめる。
<br />
<br />「？」
<br />「いや、警部が、現場を見ていた警部が言ったんだけどね。すれ違いざまに木刀で一撃。そのまま逃走するのが普通なのに、どうして車線を越えるような状態になったのか不思議がっててね。慌ててハンドル操作を誤ったにしては、急に向きが変わったそうなんだ」
<br />「そうなんですか」
<br />それは覚えがないなぁ。
<br />不覚にも気を失っちゃったから、ほとんど覚えてないや。
<br />
<br />「それで、なにか知らないかな。気づいたこととか」
<br />「……いえ、避けるのに必死で。でも、バイクとぶつかったから、ひょっとしてそのせいかもしれないです。確か脇腹に青あざが残って……」
<br />「あ、いや、いいんだ。ありがとう」
<br />上着をめくろうとした手をとめられる。
<br />
<br />「……でも、よく覚えてないんです」
<br />「そうだね。それは無理もない。済まないね詮無いことを聞いてしまって。そうだ。君が庇った女の子……」
<br />「！！　志保ちゃんが、なにか」
<br />頭を打ったせいか、志保ちゃんのことをすっかり忘れていた。
<br />どうかしてる。
<br />守りきれた感触はあるんだけど、なにせその後の記憶がないから確信が持てない。
<br />
<br />よほど切羽詰まって見えたのか、刑事さんは落ち着かせるように肩をぽんぽんと優しく叩いて笑顔を作った。
<br />
<br />「あぁ。心配しなくていい。彼女は無事だよ。現場を見ていた警部の娘さんが、その彼女の友人らしくてね。警部からも礼を言っておいてくれって言われてたんだ。娘の友人を庇ってくれてありがとうって」
<br />「いえ、そんな……」
<br />「なかなか出来ることじゃないよ。それに君も女の子なんだから、顔とかに傷が残らなくて良かったよ」
<br />刑事さんの言葉に、自分の頬を手のひらでスリスリと撫でてみる。
<br />
<br />「おっと。今のは内緒にね。バレたら、また無駄口叩いてるのかってどやされるから」
<br />刑事さんはそう言って笑いながら病室から出て行った。
<br />
<br />ふぅ。そっかぁ、アイツらも病院かぁ。
<br />はは。俺だけ入院じゃ不公平すぎるってもんだし。
<br />警察の人が帰ると、俺はまたひとりきりになった。
<br />病室の窓越しに、敷地内に咲き誇る桜の木をぼぅっと眺める。
<br />現実の風景を見てるはずなのに、ひとりの男の子の姿を思い浮かべていた。
<br />病院のベッドから桜を見ると思い出さずにはいられない、大切な友達のことを。
<br />
<br />「恭平……元気にしてるかな」
<br />無意識に彼の名前を呟く。
<br />
<br />莢凪恭平は、二年前に引っ越してしまったけど、俺が女になってしまってから初めて出来た男の友達だった。
<br />そういえば、あれっきり会ってないよな。
<br />今頃どうしてるのかな。
<br />久しぶりに会ってみたいけど連絡先知らないしなぁ……。
<br />
<br />話す相手もなく、することもない身を持て余して、病院内を散歩することにした。
<br />まだ左足首が少し痛むけど、ゆっくり歩く分には問題ないかな。
<br />看護婦さんに散歩してくることを伝え、三階にある自分の病室を出て中庭へ行くことにする。
<br />窓越しじゃなくて直接桜を見に行こう。
<br />
<br />途中すれ違う人に会釈しながら、足に負担をかけないようにゆっくりと階段を降りて建物から出る。
<br />
<br />それにしても。
<br />気のせいかもしれないけど、妙にジロジロ見られてるような気がする。
<br />視線の向きや反応から考えて、どうもパジャマが目立ってるんじゃないかという結論に至った。
<br />
<br />薄いピンク地に半面を真紅の花模様でプリントされたツートンのパジャマは、袖や襟に上品なレースがあしらわれていて、いかにも「女の子らしい」ものだった。
<br />病院指定のものと違って、見られることを考えて作られているコレは、場所が場所だけにすごく浮いていた。
<br />母さんが趣味で選んだんだろうなぁ……絶対こういうの好きそうだし。
<br />
<br />そこでふと疑問に思う。
<br />昨日は外出着だったし、もちろん自分でパジャマに着替えてもいない。
<br />いったい誰がこれを着せたんだろうか。
<br />
<br />「……いやいや、状況的に見ても母さんだろう」
<br />一瞬だけ、誰か知らない人に着替えさせられているシーンを想像して赤面する。
<br />寝てる間にってシチュエーションはすごく恥ずかしいけど、母さんならいいか。
<br />パジャマが気に入らなくても、今は着替えがないのでそのまま外に出た。
<br />
<br />『元気で』思い出の中の恭平が、穏やかな笑顔で語りかけてくる。
<br />二年前のあの日も、丁度こんな桜が咲き誇る季節だった。
<br />俺たちは、桜の花のシャワーを浴びながら、別れの時を迎えていた。
<br />
<br />『うん。ありがとう恭平。俺は……』
<br />『いいって。これから僕はそばにいてやれないけど、さくらなら大丈夫』
<br />『……』
<br />『そんな顔するなって』
<br />『俺は……俺は助けてもらってばかりでっ』
<br />『いいんだよ。僕が好きでやったことなんだ。気にしなくてもさ』
<br />『でも』
<br />『僕は知ってる。さくらは本当は明るい子だって。もっと自分からみんなの中に入っていけば大丈夫』
<br />『……うん』
<br />『ほら、笑って。次に会う時には笑顔で頼むよ』
<br />『うん』
<br />『まどかのこと、僕の分まで頼んだよ』
<br />『うん』
<br />
<br />どれくらいそうして桜の木を見上げていたのか。
<br />背後の小枝を踏みしだく音で、俺は意識を現実に戻した。
<br />ゆっくり振り返ると、そこには学生服姿の男が立ちすくんで、こちらをじっと見つめていた。
<br />風が桜の花びらをまとい、ふたりの間を駆け抜ける。
<br />あの日のあの時のように。
<br />なびく髪を右手で押さえながら、俺たちは、しばらくお互いに見つめ合ったまま立ちつくしていた。
<br />未だ夢うつつののまま、その姿に恭平の影を重ねる。
<br />沈黙が不自然なほど長く続き、その幻想癖に軽く苦笑いを浮かべた。
<br /> 　 
<br />「あの……君……」
<br />男はそれを見て、呪縛から解かれたように身じろぎをひとつして語りかけてきた。
<br />
<br />「……」
<br />「……どうかしたのかい？」
<br />黙ったままで無視した格好になってしまったが、男はこちらの無反応に戸惑いながらも話しかけてくる。
<br />
<br />「いや、なんでも……ない」
<br />言葉を濁して、あやふやに答える。
<br />
<br />「ここに入院してるんだ？」
<br />病院を見上げながら話を振ってくる。
<br />コクリと頷くと、男（学生服からすると高校生だな）は、安心したように近づいてきた。
<br />
<br />「よかったら病室まで送るよ」
<br />男が傍らまで歩いてきたところで、頭上から声がかかった。
<br />
<br />「浩一郎〜。なにナンパしてんのよ〜！！」
<br />頭上から聞き覚えのある元気な声が聞こえてきた。
<br />見上げると三階の窓からメグが手を振っている。あそこは……俺の病室か？
<br />
<br />「さくら〜見舞いに来てあげたんだから、さっさと戻ってこ〜い！」
<br />メグが遠慮もなにもなく、ぶんぶんと手を振って呼び付ける。
<br />ひらひらと手を振り返してから病室へと向かうべく歩き出した。
<br />
<br />「へぇ。さくらさんって言うんだ。良い名前だね。よく似合ってるよ」
<br />横に並んできた『浩一郎』と呼ばれた男が、耳元にささやくように話しかけてくる。
<br />しかし、初対面なのに臆面もなくこんなことが言える奴は好きじゃないな。
<br />
<br />「あなたは、メグの知り合い？」
<br />「メグ？　あ、ああ。羽鳥のクラスメイトだよ。北倉浩一郎って言うんだ。よろしく」
<br />握手でもするつもりなのか手を差し出す。
<br />
<br />「私は波綺さくら。よろしく先輩」
<br />その手を無視して一応笑顔で答えた。
<br />
<br />「……せんぱい？」
<br />北倉先輩が、差し出した手を引っ込めながら訝しそうに言葉を繰り返す。
<br />
<br />「メグのクラスメイトってことは二年生でしょう？」
<br />「ってことは……さくらさんは……一年生？」
<br />動揺を隠せない先輩が呟く。
<br />
<br />「うん」
<br />「そうか。年下か……」
<br />黙り込む北倉先輩。
<br />本当は同じ歳なんだけど訂正する気はなかった。
<br />
<br />病室に戻るまでの間、北倉先輩がなにか話しかけてきたけど、恭平とまどかのことを考えていたんで、適当に生返事でそれに答えながら階段を上る。
<br />意識をあっちに持っていったままの俺は、二階の踊り場で見舞いに付いてきたらしい子どもとぶつかってバランスを崩した。
<br />『あ！』っと思ったのもつかの間、俺は後ろから抱きとめられた。
<br />
<br />「ほら。考えごとしながら歩くと危ないぞ」
<br />振り向くと目の前に北倉先輩の顔があって、耳元でささやくようにたしなめられる。
<br />
<br />「どうも……ありがとう」
<br />恭平に抱きとめられたような感じがして思わず声がうわずってしまった。
<br />うぅ……少し頬が熱くなる。
<br />
<br />「……い、いや、気をつけて」
<br />動揺してる俺に北倉先輩も驚いたのか、視線をそらして慌てて手を離した。
<br />
<br />病室に戻ると制服姿のメグが待ち構えていた。
<br />
<br />「はーい、さくら。お見舞いにきてやったぞ」
<br />いつものように恩着せがましくウインクするメグ。
<br />
<br />「これ差し入れ」
<br />「サンキュ」
<br />メグから包みを受け取る。どれどれ。中身はフルーツゼリーか。
<br />
<br />「ありがたくいただきます」
<br />オーバーアクションで恭しく頭を下げる。
<br />
<br />「うん。あ、私にも食べさせてね」
<br />そんな俺の仕草に、にっこりと満足そうな微笑みを浮かべるメグ。
<br />
<br />「俺もご相伴に与っていいかな？」
<br />ちゃっかり病室まで入ってきた北倉先輩が口を挟む。
<br />
<br />「だーめ、さくらの見舞いなんだから」
<br />メグがにべもなく答える。
<br />
<br />「じゃ、どうしておまえも食べるんだよ？」
<br />「いいでしょ。私が買ってきたんだから」
<br />「ずりぃ……」
<br />「ずるくない！　それはそうと。どうして浩一郎がここにいるかなぁ？」
<br />「あ？　俺か？　俺はレディーのエスコートをしてきただけだよ」
<br />メグと北倉先輩が互いの存在について論争している間に、俺はベッドに座って左足を休ませる。
<br />
<br />「さくら。浩一郎になんかされなかった？　コイツは学校でも評判の女ったらしだからねぇ」
<br />口に手をあてて、でも、聞こえよがしに話すメグ。
<br />
<br />「こら羽鳥！　誰が女ったらしだ！　人聞きが悪い。さくらちゃんが誤解したらどうすんだよ！」
<br />「あらぁ、誤解もなにも真実を教えてあげてるのよ」
<br />メグは、例のイヤな笑みを浮かべて北倉先輩を横目で見る。
<br />
<br />「なんだとぉ！！」
<br />「それより。呼ばれもしないのに勝手に病室まで入ってこないでよね。図々しい」
<br />「ぬぬぬぬぬ。言わせておけばこの女わぁぁ〜！」
<br />「まぁふたりとも。ここは病院なんだし落ちついて」
<br />見かねて仲裁に入る。
<br />
<br />しかし。へぇ〜、ふ〜ん。
<br />メグと北倉先輩って結構いいコンビかも。見てて飽きないよな。
<br />
<br />「いけね。俺、用事の途中だったんだ」
<br />「はいはい。じゃね。バイバイ」
<br />素っ気なくあしらうメグ。
<br />
<br />「くぬぬぬ。ふぅ……。ま、こんな奴にマジんなっても仕方がないか」
<br />「今更余裕ぶって見せても遅いって」
<br />メグがすかさず突っ込みを入れる。
<br />
<br />「……くぅ。そ、それじゃさくらちゃん、次は学校で」
<br />辛うじて笑顔を保った北倉先輩は、そう言い残すと病室から出て行った。
<br />
<br />「やっとジャマものがいなくなったわね」
<br />メグは腰に手をあて、これ見よがしに安堵の溜め息をつく。
<br />
<br />「でも、結構いいコンビなんじゃないの〜？」
<br />俺は笑いを噛み殺しながらそう感想を述べる。
<br />
<br />「ジョーダン。願い下げだわあんなの」
<br />メグは即答即断で俺の意見を却下した。
<br />あんなの……。ちょっとだけ北倉先輩が可哀想に思えて心の中で同情した。
<br />
<br />「でも怪我大したことなくて良かったわね」
<br />「うん。そうだな」
<br />「で？　人助けの勲章なんだって？その怪我」
<br />「んー、そうなるかな？」
<br />「相変わらずよね。中学の時にも、そんな感じで怪我して入院したでしょ？」
<br />「はは。まぁ性分なんだよきっと」
<br />「小さい頃も、よく怪我してたよね」
<br />「ケンカばっかしてたからなぁ」
<br />小学生の時は、この容姿のせいでよくからかわれていた時期があって、そのたびにケンカしてたもんだから、毎日生傷が絶えなかった。
<br />酷い時は足を折って入院したこともあった。
<br />
<br />でもそんな毎日が続くと、いい加減ケンカ慣れしてきた。
<br />ケンカの仕方と言うかコツがわかってきて、大抵は勝てるようになり、小学校高学年時分には、もはや誰からもからかわれることはなくなったんだ。
<br />みんな痛い目見るってわかったからね。
<br />
<br />「そうそう。バタバタしてて忘れるところだった」
<br />ゼリーの包みを開けていたメグが思い出したように顔を上げる。
<br />
<br />「ん？」
<br />「あと、真ちゃんも来るから」
<br />「えぇ！？　し、真吾も来るのか？」
<br />「なに慌ててんのよ。安心して。真ちゃんにはまだ話してないから。部活のミーティングでちょっと遅れて来るって話だったんだけど」
<br />メグは、気がかりそうにちらりと病室のドアを見る。
<br />ふむ。時間的にはもう来ててもおかしくないのかな。
<br />
<br />「なぁメグ」
<br />「なに？」
<br />メグは早速、持参したフルーツゼリーを取り出しながら答える。
<br />
<br />「まだ真吾には話してないんだよな、俺のこと」
<br />「うん。かず、とと。さくらが自分で話すって言ってたからね。ん〜オイシイ〜」
<br />目をつけていたらしい桃のゼリーに舌鼓を打ちながら返答する。
<br />
<br />……こいつわかってないな。
<br />
<br />「なら病室わからないんじゃないか？　俺、名前変わっちゃってるし」
<br />「え！？　……そうだ！　あ、私、受け付けに行ってみるね！」
<br />メグは慌ててバタバタと病室から出て行った。
<br />
<br />まったく。
<br />
<br /> それから二分もしないうちに、ドアをノックする音が聞こえた。
<br />
<br />「はーい。どうぞー」
<br />「あは、は。やっぱ真ちゃんもう来ちゃってました。それよりも！　さ、入ってちょうだい」
<br />まるで自分の部屋へ招くような口振りで、ドアの向こうに声をかける。
<br />そして、恐る恐るの体で病室に入ってきたのは間違いなく『赤坂真吾』だった。
<br />二年半前は、まだ子どもっぽかったのに……って当たり前か、しっかり成長の跡がうかがえる。
<br />一番の違いは身長。前は、俺の方がちょっとだけ高かったハズなのに、今では軽く百八十センチ近くはある。
<br />俺は百七十一センチ。うぅ〜なんか悔しい……。
<br />
<br />「じゃーん。どう驚いた？　見まがうなかれ。これが一樹だよ」
<br />「………」
<br />メグの演出過剰気味の紹介にも気がつかない程、真吾は俺を心底驚いたように見つめていた。
<br />
<br />その視線は、顔にしばらく注がれていたかと思うと、胸、左手のギプス、下半身に移動して左足の包帯、そして顔、また胸へと忙しく動いている。
<br />そんな真吾を眺めながら、その変貌振りに見惚れていた。
<br />うーん。確かこれはファンクラブが出来てるって話も頷る。
<br />その長身に服の上からも分かる均整が取れたプロポーション。
<br />そして、まだ男らしさの中にも幼さが残るマスク。
<br />うんうん。よくぞこんなに立派に育ったもんだ。
<br />って、無論俺が育てたわけじゃないんだけどさ。
<br />
<br />「それじゃ、私は用事が残ってるから先に帰るね」
<br />俺たちの様子を面白そうに眺めながら、ゼリーを手早く食べ終えたメグは自分のカバンを掴んで病室のドアへ向かう。
<br />
<br />「あ、ああ。見舞いサンキューな」
<br />
<br />「うん。じゃ『一樹』に『真ちゃん』バイバイ」
<br />気を利かせたのか、俺のことをわざわざ一樹と呼んでから、メグは手を振って出て行った。
<br />そして、病室には俺と真吾が残された。
<br />
<br />「びっくりしたか？」
<br />軽く笑って、未だ硬直から立ち直れない真吾に声をかける。
<br />
<br />「……本当に一樹なの？」
<br />真吾は、にわかには信じられないのか、そう問いかけてくる。
<br />
<br />「ああ。正真正銘俺は一樹だよ」
<br />髪を後ろにまとめて、以前の髪型に近くして見せる。
<br />それから立たせたままも悪いので、椅子を出してそこに座ってもらった。
<br />
<br />「あ。こ、これ……お見舞い」
<br />どこか呆然としながら手に持ってた包みを差し出す。
<br />
<br />「サンキュー。あ、この包みは目白屋の鯛焼き？」
<br />「ああ。なんにしようか迷ったんだけど、一樹は好きだったから……」
<br />「嬉しいよ。引っ越してから食べてなかったからな」
<br />「そう……だね。声も昔とそう変わってない」
<br />真吾はまだ信じられなかったらしく（まぁ当然かもしれないけど）やっと俺を一樹だと納得したみたいだった。
<br />
<br />「ごめんな真吾。あの時は黙って引っ越したりして」
<br />そう切り出して、今までの事情をかいつまんで説明した。
<br />
<br />「そうか。僕に黙って転校したんで、正直言うと一時期はちょっと恨んだよ」
<br />「ごめん」
<br />「いや、いいよ。一樹が僕に黙っていたってことは、なにか事情があったんだろうって思い直したからね。それに、そんな大変なことが起こった時に、力になってあげられなくて悔しいよ」
<br />「そんなこと気にするなって。……ちょっとな、恥ずかしいやらなにやらで、メグにも誰にも打ち明けていなかったんだ。昔の知り合いでは、家族を除けば真吾でふたり目かな」
<br />「うん。恵も、昨日初めて知ったって言ってたよ」
<br />「実は黙ってるつもりだったんだけどな。あはは……」
<br />ごまかすように照れ笑いすると、真吾は『そんなところ、昔から変わってないなぁ』って顔で微笑む。
<br />
<br />「女になった最初の頃は、すごく動揺しちゃってさ。とにかく、誰にも知られたくなくて転校したんだ。体だけ性別的に女になってもさ、心は見かけほど簡単に割り切れないんだよね」
<br />「……ああ」
<br />「その見かけもさ、初めは男だった時と変わらなかったんだけど、半年一年と経つうちに自分でもわかるくらい女の子になってくるんだ。元が女みたいだっとは言え、俺は自分では男だと思ってた。でも、鏡で見る自分が、だんだんと女の子だって思えるようになっていくんだ。割り切れるまではやっぱり恐かったな。今では恐くはないけど、それでもまだ戸惑うことも多いよ」
<br />「……」
<br />真吾は、返答に困ってる感じだった。
<br />無理もないよな。取り乱したり笑ったり気味悪そうにしないだけ、さすがってもんだと思うし。
<br />
<br />「まぁでも、逆に考えると、こんな状況もなかなか楽しいかなって思うけど」
<br />沈黙に耐えかね、気楽そうに装って話を変えてみる。
<br />
<br />「そんなものなのか？」
<br />「ほら。真吾から見ても、今の俺は女に見えるだろ？」
<br />「う、うん。それじゃその、胸も……自前なの？」
<br />「ん？　ああ。これか？」
<br />強調するように、両手で胸を持ち上げて見せる。
<br />案の定、真吾は赤くなってうつむいた。
<br />はは、相変わらずこーゆーことには照れ屋だな。
<br />
<br />「自前だよ。シリコンとかじゃなくて……そうだ、触ってみるか？」
<br />「い、いや、いいよ」
<br />「そうか？　結構大きいから触り心地いいぞ？」
<br />「うぅ……」
<br />顔を赤くした真吾が困ったような表情を浮かべる。
<br />
<br />「あはは。冗談だよ冗談。ま、そんなわけで人生やり直してるんだ。くれぐれもこのことは他言無用で頼むよ」
<br />「う、うん……。それはわかってる。なにか困ったことがあったら相談してよ。力になるから」
<br />「ありがとう真吾」
<br />そう言って微笑むと、真吾はまたもや赤くなってうつむいた。
<br />なんなんだ？
<br />
<br />「でも、一樹さ。普通の……クラスメイトの女の子とかより、ずっと女って感じがするね」
<br />「そうかぁ？　まぁ女演じてる分そう思えるのかもな」
<br />「いや、言動とかじゃなくてさ。その、雰囲気が」
<br />「自分じゃあんまり変わってないつもりなんだけどな」
<br />「なんて言ったらいいかな？　なにか先に大人になったみたいな気がするんだ」
<br />「あはは。まぁそれは、男女両方の人生経験積んでるからかな」
<br />俺たちは軽く笑って、そして、お互いに視線を合わせて微笑んだ。
<br />
<br />「そう言えば、名前、変えてるんだったよね？」
<br />「あ。そっか……うん、今は『波綺さくら』って言うんだ。思春期での性転換って、なにかと周囲から言われるから変えた方がいいって、カウンセラーの人に提案されて変えたんだ」
<br />「そうか。色々大変だね」
<br />「この『さくら』って名前にも、もう慣れたけどな」
<br />「どうりで入院患者の中に波綺一樹がいないはずだよ」
<br />「ごめんごめん」
<br />「いや、これは一樹のせいじゃないから、気にしなくていいよ」
<br />「うん。ところで真吾……」
<br />「なに？」
<br />「そう言うわけなので。人前では俺のこと「さくら」って呼んでくれ」
<br />「ん。ああ、そうだね。努力するよ」
<br />コンコンと、遠慮がちにドアをノックする音。
<br />
<br />「はーい」
<br />あれ？　メグが戻ってきたのかな？
<br />
<br />「失礼しま〜す」
<br />その予想とは裏腹に、ドアの隙間から顔を覗かせたのは志保ちゃんだった。
<br />
<br />「あの、あたし、さくらちゃんのお見舞いに……あの、その、お邪魔だった……かな」
<br />俺と真吾の顔をあたふたと見比べて、志保ちゃんが顔を赤くして謝る。
<br />
<br />「全然構わないよ。いらっしゃい志保ちゃん」
<br />「それじゃ。か……さくら。僕はこれで」
<br />「うん。真吾もありがとう」
<br />「ああ」
<br />真吾は、途中志保ちゃんと、その連れの女の子に会釈して病室を出て行った。
<br /> 
<br />「ごめんね〜さくらちゃん……」
<br />「別に構わないよ。お見舞い来てくれてありがとう」
<br />「ううん。それより、あの、さくらちゃん……怪我の方は、もういいの？」
<br />「私のほうは大したことないよ。志保ちゃんは怪我とかしなかった？」
<br />「あたしは、さくらちゃんのおかげでなんとも……。でも、さくらちゃんは大したことなくないよぉ。ごめんね。ごめんね……」
<br />志保ちゃんは涙声でそう言って泣きはじめた。
<br />
<br />うぅ。なんか、こんなシチュエーションばっかだな俺たちって。
<br />泣き出した志保ちゃんを膝におろおろしていると、病室の入り口に立っていた、志保ちゃんと同じ光陵高校の制服姿の女生徒と目が合った。
<br />漆黒のショートカットでキリっとした顔立ち。
<br />一目で、女の子に人気ありそうな感じだなと思った。
<br />身長は俺と同じくらいあるかも。スラリとしていて、なにかスポーツをやっているように見える。
<br />多分俺よりも年上だな。志保ちゃんと同じ三年生かな？
<br />
<br />「えぇっと。さくら……さん？」
<br />彼女はニッコリと微笑むと、俺に語りかけてきた。
<br />
<br />「はい」
<br />「こんにちは。斎藤ちひろです」
<br />互いに軽く会釈する。
<br />
<br />「あ！　あの……ごめん！　ちーちゃん」
<br />そんなやり取りを頭上に聞いて、志保ちゃんが顔を上げてあたふたする。
<br />
<br />「あの……さくらちゃん紹介するね。斎藤ちひろちゃんっ。あたしの幼なじみなの」
<br />「波綺さくらです。こちらこそ。初めまして」
<br />「ふふ。実は初めてって訳でもないんですよ」
<br />ちひろさんは優雅に微笑む。
<br />
<br />「え？」
<br />「そうなの〜。あの事故のあと、さくらちゃんが気を失っちゃって、ちひろちゃんに色々手伝ってもらって病院まで運んだの」
<br />「あ。そうだったんですか。ありがとうございました」
<br />ベッドから降りて頭を下げる。
<br />
<br />「いいえ。こちらこそ、しーちゃん……志保ちゃんを助けていただいてお礼を申しあげます」
<br />「本当、ありがとうね、さくらちゃん」
<br />「そんな。ふたりとも気にしないで。小さい頃は、こんな怪我は日常茶飯事だったから大したことじゃないんですよ」
<br />ふたりとも『日常茶飯事！？』って顔をしていたが、なにも聞いてはこなかった。
<br />
<br />「あの、あたし、お花生けてくるね」
<br />赤い目をこすりながら、志保ちゃんがお見舞いに持ってきた花を手に病室を出て行った。
<br />
<br />「さくらさん、本当にありがとうございました」
<br />斎藤先輩は、改めて深々と頭を下げた。
<br />
<br />「いえ。いいですよ。怪我したのは自分の力量不足ですから」
<br />「そんな。あなたがいてくれたから、しーちゃんは無事だったんです」
<br />「仲いいんですね。志保ちゃんと」
<br />「ええ。物心ついた時には一緒に遊んでたから、ほとんど姉妹みたいなものですね」
<br />「幼なじみっていいですよね」
<br />「さくらさんにもいますか？　幼なじみ」
<br />「ええ。いますよ。口やかましいのと、さっきの……」
<br />「さっきって、赤坂くんのこと？」
<br />「知ってるんですか？」
<br />「ええ。学校で赤坂くんのことを知らない人は、いないんじゃないかな？　知ってました？　ファンクラブまであるみたいなんですよ」
<br />「それは聞いたことありましたけど、そうか〜。やっぱりそんなに人気なんだ」
<br />「でも浮いた噂は聞かないんですよね。彼女もいないみたいだし」
<br />斎藤さんは意味ありげに俺の方を見る。
<br />
<br />「はい？」
<br />「そっか、こんな可愛い幼なじみがいるからかぁ」
<br />「ちょ、ちょっと待ってくださいよ。斎藤先輩」
<br />「あ。私のことはちひろで良いですよ」
<br />「それじゃちひろ先輩。違いますよ」
<br />「違うって……なにが？」
<br />「だって……」
<br />俺たちが幼なじみとして遊んでた頃、俺は男だったんだから。と言う言葉を辛うじて飲み込んだ。
<br />
<br />「今日、そうして会ったのは三年ぶりだったんですから」
<br />「そうなの？」
<br />「はい。事情があって、私が引っ越してたんです」
<br />「なんだ。残念。スクープかと思ったのに」
<br />ちひろ先輩がペロっと舌を出す。
<br />綺麗なちひろ先輩がそうして子どもっぽい仕草をすると、そのアンバランスさから妙に可愛く感じられる。
<br />
<br />「でも、三年前からずっと、さくらさんのことが好きだったりして……」
<br />「もう。違いますから変なこと言いふらさないでくださいよ」
<br />「ふふ。冗談よ冗談。でも、美男美女でお似合いだと思うけど？」
<br />「美女ならちひろ先輩の方がハマりますよ。どうです？　さりげなく売り込んでおきましょうか？」
<br />「ごめんなさい。もうこの話題はやめておきましょう」
<br />その話の打ち切り方に、ちょっとした違和感を感じた。
<br />この反応の具合は、ひょっとして……。
<br />
<br />「先輩、好きな人いるんだ？」
<br />「え？　え！？　どうして？」
<br />「なんとなく。そうかなって思っただけですけど」
<br />「……内緒」
<br />「ふむふむ。そう言うことにしておきましょう」
<br />「ふふん？　そう言うさくらさんは彼氏いるの？」
<br />「いませんよ。作る予定もありません」
<br />「あら。……ひょっとして、ユリの方？」
<br />「……違います。ちひろ先輩って顔に似合わず、結構こんな話好きみたいですね」
<br />「それは、私も女の子ですから。それに万一ユリだと、しーちゃんの身が危ないですからね〜」
<br />「あー。疑ってたんですか？　酷いなぁ。そんなんじゃないですって」
<br />「でも、さくらさん女の子にもモテるでしょ？」
<br />「ちひろ先輩も、下級生の子とか慕われてるんじゃないですか？」
<br />俺たちは一歩も譲らずに視線を絡ませていた。
<br />やがてどちらからともなく笑い出した。
<br />
<br />「ふふふ。ここは引き分けってところね」
<br />人差し指を立てたちひろさんがウインクして微笑む。
<br />
<br />「善戦したと誉めてもらいたいところですよ」
<br />「ふふ。そうそう。『先輩』もつけなくてでいいですよ。ちひろって呼んでください」
<br />「ちひろ……さん？」
<br />「うん。それじゃ改めてよろしくね。さくらさん」
<br />「はい。ちひろさん」
<br />
<br />それから志保ちゃんが戻ってくるまでの間、ちひろ先輩から俺が病院に運び込まれるまでのいきさつや、例のふたり組が傷害罪で警察病院へ収容されていることなどを聞いた。
<br />程なく、花を生けた花瓶を手に志保ちゃんが戻ってきた。
<br />
<br />「志保ちゃん、お花ありがとう」
<br />「ううん。これくらい気にしないで」
<br />「あ。そう言えばさくらさん？」
<br />「なんですか」
<br />「いつまで入院するんですか？」
<br />「検査の結果待ちなので、明日には退院出来ます」
<br />「そう。それじゃ、明後日からの登校になるんですね」
<br />「はい」
<br />「ごめんねさくらちゃん。入学早々に、こんなことになっちゃって」
<br />
<br />「いいんだよ志保ちゃん。私は気にしてないから。それに、休みが長くなってラッキーかなぁとか思ってるし」
<br />志保ちゃんは、少し笑ってありがとうと呟いた。
<br />
<br />ホント、そんなに気にしなくていいのにな。
<br />セーラー服を人前で披露しなきゃならない日が先送りされてるだけで感謝ものだと思ってるし。
<br />三人でひとしきりお喋りをしたあと、志保ちゃんとちひろさんは名残惜しそうに帰って行った。
<br />
<br />
<br />夕方過ぎに瑞穂が着替えなどを持ってやってきた。
<br />見舞いの時間いっぱいまでつき合ってくれ、あげくには看護婦さんに追い出されて、ようやく家へ帰った。
<br />ひとりになってから、桜の木の下でのことについて、いろいろと思い出しながら考える。
<br />
<br />「恭平、今頃どうしてるかな」
<br />無事進学できただろうか。
<br />そんな取り留めもないことを考えながら、いつしか眠りに落ちていった。
<br />
<br /> 　 
<br />　 　 
<br />    ]]></content:encoded>
		<dc:subject>出逢いの季節</dc:subject>
		<dc:date>2009-11-08T02:42:25+09:00</dc:date>
		<dc:creator>kaoru</dc:creator>
		<dc:publisher>DTI-BLOG</dc:publisher>
	</item>
	</rdf:RDF>